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2003年12月14日(日) 00時00分

「おれおれ詐欺」急増朝日新聞・

  電話で息子や孫などを名乗り、現金をだまし取る「おれおれ詐欺」の発生件数が11月以降、県内でも急増している。犯行も複数の人間による巧妙な手口に変わってきている。県警捜査2課は「電話は首都圏からかけているとみられ、被害は全県的に広がっている」とみている。

  県警が認知した「おれおれ詐欺」の発生件数は11月末までに81件。そのうち36件は現金がだまし取られ、45件が未遂だった。被害総額は約4千万円に達する。5月以降、県内では毎月平均5、6件ほどで推移してきたが、10月に入り13件、11月には45件と急増した。

  犯行の手口も、グループで配役を決めるなど巧妙化している。身内を名乗る役のほか、保険会社員、借金の連帯保証人などを名乗る役が現金を要求するなど、被害者が信じやすい「物語」を作って配役を決め、電話をかけるケースが出てきた。

  11月中旬、高岡市の20代主婦が200万円をだまし取られた事件があった。警察官を名乗る男が「だんなが事故を起こしたが、相手にけがはないので金を振り込んでくれればいい」などと示談を装い現金を要求。夫役の別の男が、妻の問いかけに「うんうん」とうなずき、妻は夫だと信じたという。

  犯行には携帯電話を使用。振込先は首都圏の口座で、入金後、あらかじめ伝えた番号に電話するように指示し、電話が来たらすぐに現金を引き出すという。

  被害は、昼間に家にいることの多い高齢者の女性が多い。振り込みの口実は、81件の約6割が交通事故の示談、約1割が妊娠中絶の費用としていた。

  プリペイド式の携帯電話を使用したり、短期間で集中的に犯行を繰り返したのち、携帯電話は転売したりするなど、捜査には障害も多いという。

  県警は、予防を徹底しすることで増加傾向に歯止めをかけたいとし、(1)電話相手の名前や連絡先の確認(2)身内の名前を答えない(3)現金を要求されたら警察などに相談することを主な注意点に挙げている。

  また、老人ホームなどにビラを配るなどして、高齢者への予防を地域ぐるみで呼びかけたいとしている。

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  【事例(1)】11月上旬、富山市の80代女性。「おれだけど分かる? 事故を起こして、相手の車の修理代がいる」、数日後に「相手が入院した」などという電話を受けた。「おい」と勘違いした女性は、2度にわたり現金を振り込んだ。

  【事例(2)】11月中旬、富山市の60代男性。金融業者を名乗る男から「孫が借金をしているので、事務所に連れてきた」と電話を受けた。男は孫役に電話をかわり、現金を振り込ませようとしたが未遂。

  【事例(3)】11月中旬、高岡市の70代女性。「友人の借金の保証人になっている。500万円振り込んで欲しい」などと電話を受けた。息子と勘違いした女性は、首都圏の口座に現金を振り込んだ。


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http://mytown.asahi.com/toyama/news02.asp?kiji=4075