悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年12月13日(土) 13時42分

格安CD逆輸入、規制めぐり激論 業界と消費者団体対立朝日新聞

 アジアで人気のJポップなど日本のCDをめぐって、レコード業界と消費者団体が火花を散らしている。焦点は、レコード会社が海外でライセンス生産・販売するCDなどが国内へ逆輸入され、ディスカウント店などで廉価販売されていること。レコード業界などは「野放しにはできない」と法規制を求め、消費者団体は「自由競争を妨げる。損をさせられるのは日本の消費者だ」と譲らない。法規制を検討していた文化庁の審議会は年内の結論をあきらめ、異例の国民からの意見募集を始めた。

 東京都内のディスカウント店。CD売り場には逆輸入盤の特設コーナーがある。浜崎あゆみや中島美嘉らのCDが並ぶ。見た目も音質も国内盤とほぼ同じだ。国内盤より1000円安い「1980円」の値札が張られている。

 日本レコード協会によると、海外で正規に売られている音楽CD(テープも含む)は02年で約465万枚。今後、韓国や中国を中心に市場は拡大し、12年には7000万枚になると予想される。

 浜崎あゆみのCDなどを手掛けるエイベックスの場合は自社の現地法人や現地のレコード会社とライセンス契約を結び、台湾や香港、中国など10を超える国や地域で事業展開している。業界の調査によると、CDの価格は台湾では1300〜1400円、中国では550〜850円だが、「現地生産で人件費などが安いので採算が取れている」という。

 ネックは「還流」問題だ。現在、日本の市場全体で年間68万枚が逆輸入され、放置すれば12年には1000万枚を超えると見られる。防止措置がなければ海外展開できないと業界側は主張する。

 文化審議会著作権分科会は、04年通常国会で法改正する方向で議論を重ねてきた。

 委員の一人で「ロンリー・チャップリン」などのヒット曲で知られる作詞家の岡田冨美子さん(日本音楽著作権協会理事)は「日本の知的財産保護の根幹にかかわる問題で、安ければいいという論点はおかしい」と法規制の必要性を訴えた。

 規制の方法としては、著作権法で著作権の侵害行為と規定し、輸入や譲渡を制限する案が出ている。欧米など60カ国以上に類似の制度がある。

 これに対して、日本生協連など消費者団体側の委員は、再販制度で競争がないのに、逆輸入の競争もなくなる事態について、「消費者不在の議論は困る」と批判した。公正取引委員会が今月、規制に否定的見解を示したこともあり、分科会として意見募集することになった(24日まで)。意見の提出方法は、文化庁のホームページから。(12/13 13:09)

http://www.asahi.com/culture/update/1213/001.html