2003年12月10日(水) 00時00分

県内１３の障害者施設に支援費の支払い滞る（朝日新聞・）

実務１人で処理

障害者にサービスを提供した場合に行政が支払う「支援費」を、甲府市が県内１３の施設や事業者に最長で半年間も滞らせていたことが９日、分かった。計約８８００万円にのぼるが、同市は５日までにすべての入金を終えた。五味春雄福祉部長は９日の市議会民生文教委員会で「怠慢だった。再発防止に努めたい」と謝罪した。

　　支援費制度は今年４月に始まった。障害者が利用したいサービスを市町村に申請すると市町村が調査して、ホームヘルパーを利用する回数や時間などを決める。サービスを受ける施設は障害者自身が選ぶ。利用料は、本人が一部を負担し、残りを市町村が施設や事業者に支払う。同市では４月１日現在、延べ６６０人が利用している。

　　市障害福祉課によると、富士河口湖町の障害者療護施設に対する４月〜１０月分の支援費計約１９００万円が今月５日まで未払いだったほか、残る１２施設への支払いも３カ月〜半年遅れた。

　　市は支援費の実務担当の男性職員（２９）を１人しか置かず、４月の発足当初、担当者はサービス支給量などを決定する調査に追われた。さらに支援費を支出するには、利用したサービスの種類ごとに別の口座を設ける必要があり、施設側の申請と同市側の登録事務に時間がかかった。書類がそろえば登録は１日で済むが、担当者は申請書を出さない施設側に書類の郵送を催促するなどしなかったという。

　　支援費が支払われないとの苦情は７月ごろから県などにも寄せられていたが、同課は「担当者がもっと残業して処理するなどしていればよかった。怠慢だった」と話した。同課は担当者を複数に増やし、施設への支払いが済んでいるかを確かめるマニュアルを作り、再発防止に努めるとしている。
（12/10）

http://mytown.asahi.com/yamanashi/news02.asp?kiji=6499