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2003年12月09日(火) 17時13分

<武富士>名ばかりの法令順守委員会 「会長関与せず」うのみ毎日新聞

 「武富士」をめぐる盗聴事件で、同社が昨年7月に設置した「コンプライアンス(法令順守)委員会」が、前同社会長の武井保雄容疑者(73)の「一切関与していない」との一言を伝え聞いただけで、ほとんど調査を行っていなかったことが分かった。「超ワンマン」で知られる武井前会長の一言の前に、本来の機能を発揮しなかった実態が浮かんだ。

 総会屋への利益供与事件など企業の不祥事が相次ぎ、経団連(当時)が96年に企業行動憲章を改定し、企業の法令順守を盛り込んだ。企業活動で法令違反がないかどうかをチェックするため外部の弁護士や学識経験者などを加えて、コンプライアンス委員会を設置する企業が増えている。同社も「ほかの企業が設置している風潮にならった」と話している。

 同社の説明によると、同委員会は武井前会長を除く幹部社員7人と弁護士1人でスタートし、委員長は同社副会長が務めていた。昨年12月、盗聴疑惑を報じた週刊誌の記事が出たのを受けて調査を始めたが、委員会として武井前会長への調べは行わず、清川昭社長が会議の席上で「私は一切関与していない」と聞いただけ。詳しい調査は行われず、同社のホームページで「武井会長や会社の関与はなかった」と公表していた。

 同委員会は、元同社総務部課長の中川一博容疑者(42)が持ち出した稟議(りんぎ)書のコピーが偽造かどうかに調査の焦点を移し、武富士側はコピーに押された「武井」の印が偽造だとする鑑定書を付けた上申書を警視庁に提出。8日の会見でも、清川社長は「今でも稟議書は偽造されたものだと思います。そう簡単に社内の決裁は通りませんので」と説明したが、捜査当局は既に原本を押収し、武井前会長が決裁していることを確認している。

 また、8日の会見で取材陣から委員長の氏名を尋ねられた際、「副会長だと思います。間違っていたらすみません」と、同委員会への認識の低さを露呈した。武井前会長が盗聴の指示を認めたことについても「会長と中川容疑者の間のことで他の人が知る立場にないので」と調査の限界を認めた。【三木陽介、鈴木泰広】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031209-00001072-mai-soci