2003年12月09日(火) 11時15分

医療事故報告の範囲拡大案、厚労省が提示（日経新聞）

　医療事故の報告制度を検討している厚生労働省は9日、医師らの説明不足で患者が危険な行為をしたケースなど、医療現場への警鐘的意義が大きい事例も「事故」として報告を求める案を提示した。今年3月に提示した案よりも事故の範囲を拡大した。こうした報告を受ける第三者機関には医療関係者以外に一般の有識者も加える方針。

　同日に省内で開かれた「事故報告範囲検討委員会」（委員長、前田雅英・東京都立大学法学部長）に提示、了承した。同省は年度内に省令改正する方針。

　同省が新たに報告を求める事故として提示したのは「医療現場に対する警鐘的意義が大きいと考えられる事例」。具体的には、医師らの説明不足で、眠くなる薬を患者が服用し車の運転をした場合のほか、間違った保護者への新生児の引き渡し、臓器の移植に伴う未知の感染症や遺伝子治療によるがんの発生、入院患者の自殺や無資格者による医療行為など。患者に直接の被害が出ていないケースで、本来はニアミス（ヒヤリハット）事例として報告させていたケースも「事故」として報告を求める。(11:15)

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031209AT1G0900D09122003.html