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2003年12月09日(火) 02時03分

ハンセン病問題 HPに「宿泊拒否当然」 アイスター再び正当化西日本新聞

 熊本県南小国町の温泉ホテルによるハンセン病元患者の宿泊拒否事件で、ホテルを経営する化粧品会社「アイスター」(東京)が八日、インターネット上の同社のホームページ(HP)に「宿泊拒否は当然だった。この主張は現在もなんら変更はありません」と、あらためて宿泊拒否を正当化する文書を掲載したことが分かった。元患者側は「これまでの謝罪は世間を欺くポーズだったのか」と猛反発している。

 ホームページで同社は「宿泊直前に元患者の団体であると急に知らされても、他のお客さま方にご理解をいただける時間的余裕がない」と熊本県の対応を批判。元患者に感染の可能性がないという点については「ハンセン病に対する一般社会の認識からいえば、まだまだ理解されないであろう」と弁明している。さらに、同社の江口忠雄社長が一日、国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(同県合志町)を訪れ、宿泊拒否に関して「言い過ぎだった」と発言したことを再度否定。「社長本人に再々連絡をとり、『言い過ぎた』という発言は一切ないことを確認しております」と強調している。

 また、江口社長らによる元患者への謝罪は、人権侵害を認めたためではないと主張。「楽しみにしておられたご旅行が実現できなかったことに対する人道的なおわび」と説明している。

 ハンセン病訴訟西日本原告団副団長の志村康さん(70)は「やっぱり、という思いだ。ホテル側は最初からまったく謝っていない。世論がホテル側に不利に働くので、世間を欺くために取ったポーズにすぎない。最初から謝る意思などなかったことが明確になった」と話している。

■社長に抗議文 原告団協議会

 熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」によるハンセン病元患者らに対する宿泊拒否事件で、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会は八日、ホテルを経営する化粧品会社「アイスター」(本社・東京都港区)を訪れ、江口忠雄社長に「同社の対応はハンセン病元患者に対する露骨な偏見・差別だ」などとする抗議文を提出。文書での回答を求めた。

 同協議会の谺(こだま)雄二会長代理ら七人が江口社長と会談。終了後、江口社長は記者団に「同協議会の方の話を真摯(しんし)に受け止めて社内で検討、対応していきたい」と述べた。しかし、同協議会側は「江口社長から『人権侵害の意図はなかった』など一応のおわびはあったが、こちらの主張や疑問にほとんど答えておらず、納得できる内容ではなかった」としている。

 宿泊拒否問題について江口社長は一日、国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県合志町)を訪れ、入所者自治会に対し謝罪。同自治会はそれを受け入れている。しかし、ハンセン病国賠訴訟の元原告でつくる同協議会のメンバーは、抗議の意を込めて、その場を退席していた。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031209-00000014-nnp-kyu