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2003年12月08日(月) 00時00分

薬害エイズ問題などで公開シンポ朝日新聞・

 玉名市の九州看護福祉大学の第1回公開学術シンポジウム(朝日新聞社など後援)が7日、同市民会館で開かれた。「薬害エイズとハンセン病問題が、これからの看護・福祉に問いかけるもの」をテーマに、薬害エイズ禍を招いた国の行政を患者の立場から批判している川田龍平さん(27)と、ハンセン病の元患者、志村康さん(70)の語りかけを元に論議した。

 志村さんは、「ハンセン病患者を強制隔離するのは誤り」との熊本地裁判決が出され、国が控訴を断念した時の原告13人の1人。ハンセン病について「毎年、国内で新患者が発見されるのは4、5人。若い人の発症はない。患者のほとんどは老人検診で発見されるが、すぐ治るので心配ない」と話した。

 川田さんは、薬害はだれに起こるかわからない問題。自分は10歳の時に発症。血友病で出血が止まりにくい病気だが、血液製剤を使って感染したため、危険なことを知りながら使い続けさせた国と製薬会社との裁判でなんとしても勝ちたいと実名を公表した。

 本来は病気を治す薬剤で命を奪われることがサリドマイド事件など何度もあった。製薬会社から献金を受ける政治家や天下りする役人など日本の社会構造に問題がある。薬害はだれに起こるか分からない。いまだにこのような問題の加害責任の明確化や謝罪が取り残されているのが問題だと訴えた。

 また、司会の山本務・同大学助教授は「薬害は知らんぷりをする傍観行為の積み重ねが大惨事につながる」と指摘。発言者の佐藤林正教授は「ハンセン病も薬害エイズも長い歴史がある。なぜそういう問題が起きたか、検討が深められないままだと繰り返される」と話した。


(12/8)

http://mytown.asahi.com/kumamoto/news02.asp?kiji=2976