悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年12月08日(月) 23時23分

会社別、学校別にも格差ありと判明 - 国連がデジタルデバイド調査レポートMYCOM PC WEB

国際連合(UN: United Nations)の専門機関である国際電気通信連合(ITU: International Telecommunication Union)は、世界の情報通信事情を調査したレポート「ITU World Telecommunication Development Report(WTDR) 2003」を発表した。貧富の差がデジタルデバイド(情報格差)を生む実態が浮き彫りになっている。

WTDR 2003では、ICT(情報通信技術)の普及を測定するため、全23項目の「e-ITU指標」を設定。電気/ラジオ/テレビ/電話の普及率から、PCやインターネットの利用率に至るまで、各e-ITU指標が高くなるほど、社会全体でデジタルデバイドの解消が進み、理想的な環境を構築できるとされている。ブロードバンド環境の有無や低価格インターネット利用の可否なども問われており、国連加盟国間でも、総合指標にはかなりのばらつきが見られる。

ITUで今回、WTDR 2003の調査プロジェクトを率いたMichael Minges氏は、自国のICT事情について正しく認知できていないケースも多いことを憂慮しており、先進国の調査会社などが発表するインターネットユーザー数と、実際にインターネットを利用している人の数には大きな開きがあることも少なくないようだ。逆に、発展途上国のインターネットユーザー数が、実際より少なく見積もられているケースも多数報告されている。最も評価が高かった例には韓国が挙げられており、政府が国民のPCおよびインターネット利用事情を適確に把握し、政策決定にもスムーズに反映されているという。

世界のICT事情は、急速に向上が見られている。電話サービスの普及率を例に取ってみても、とりわけ東アジア地域は過去10年で24倍に増加するなど、インフラの整備が著しく進んだ。現在、ラジオ放送は世界人口の約95%、テレビ放送は89%をカバーしており、携帯電話もしくは固定電話を自宅から徒歩圏内で利用できる人の割合も、世界人口の8割を超えている。

しかしながら、PCやインターネットなど、情報分野で見るならば、まだまだデジタルデバイドの問題は根強い。例えば、メキシコでは、授業料の高い、主に裕福な家庭の子どもたちが通う学校では、12人の生徒に1台の割合でPCが備わっているものの、他の一般的な学校のPC普及率は、59人の生徒に1台の割合にまで落ち込んでしまう。チリでは、大企業のインターネット利用率は93%と非常に高いものの、小企業に限ってみると、インターネット利用率は37%と低迷している。同じ国内でも、どの会社・学校を選ぶかで、得られる情報に大きな格差が生じてしまう様子が明らかになった。

間もなく、スイスのジュネーブで開催される世界情報社会サミット(WSIS: World Summit on the Information Society)に合わせ、ICTの普及で社会生活の向上が実現するとの理念のもとに発表されたWTDR 2003。2000年9月に国連ミレニアムサミットで採択されたミレニアム開発目標により、貧困に起因する世界の諸問題を解決するためにも、ICTの整備は重要な役割を果たすと謳われている。

電子政府って本当に必要? 国連が世界ランキング発表、日本はトップ10圏外に
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/11/05/15.html

関学、デジタルデバイド解消のため学生ボランティアを途上国へ、国連と
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/02/23.html

世界情報社会サミット
http://www.itu.int/wsis/

国際電気通信連合
http://www.itu.int/

国際連合
http://www.un.org/

(MYCOM PC WEB)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031209-00000095-myc-sci