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2003年12月07日(日) 03時08分

香港→シンガポール→スイス?ヤミ金収益26億円移動読売新聞

 指定暴力団山口組旧五菱会系のヤミ金融グループによる出資法違反事件で、ヤミ金融の収益のうち約26億円が、英国系銀行の東京支店の口座を経て、スイスに本店がある銀行の香港支店、さらに同銀行のシンガポール支店の口座へと次々に移し替えられていたことが6日、警視庁の調べでわかった。

 複数の国を移動させることで、巨額資金の出所を隠すのが目的だったとみられる。この事件で、マネー・ロンダリング(資金洗浄)の海外ルートが明らかになったのは初めて。警視庁では、関係国の捜査当局と連携しながら不法収益の流れの解明をめざす。

 同グループは昨年夏までに、総額10億円相当の無記名の割引金融債を購入。今年3月には、うち9億5000万円分の割引債を幹部が証券代行会社を通じて換金していたことが、これまでの捜査でわかっていた。

 その後の調べで、幹部はこれを含め、2日間で計5回にわたり総額約26億円分の割引債を換金して、英国系銀行の東京支店の口座に入金していたことが判明。警視庁で約26億円の資金の行方を追跡したところ、スイスに本店がある大手銀行の香港支店に全額が送金されていた。

 警視庁は、香港の捜査当局に協力を要請。現地捜査当局の調べで、この資金がさらに、同じスイス系銀行のシンガポール支店に送金されていたことまで突き止めた。しかし、香港支店は、送金の依頼者や送金先の口座番号などの照会には応じておらず、それ以上の資金の流れはわかっていない。

 警視庁は今後、シンガポールの関係当局に協力を要請。同グループの最高責任者、梶山進被告(54)名義のスイス国内の銀行口座から見つかった6100万スイス・フラン(約51億円)の巨額資金との関連も視野に、シンガポールに渡った資金が、さらに移し替えられていないかどうかなどについて捜査を進める。また、26億円もの資金がどのような経緯で香港に渡ったかに関しても、英国系銀行の東京支店などから詳しく事情を聞いている。

 同グループを巡っては、米国のカジノホテル名義で開設された日本国内の貸金庫に計400万ドル(約4億3000万円)が隠されていたことがすでに判明。また、梶山被告が管理していたとみられる米国内の銀行口座などに、総額数百万ドルが入金されていたことも米捜査当局の調べでわかっており、警視庁では、これらの資金移動も、同様に海外ルートのマネー・ロンダリングの一環だったとみている。

 さらに、梶山被告の側近が今年7月以降にシンガポールやイタリアなどを訪れていたことや、別の周辺関係者が今年初めに香港に渡っていたことなどもわかっており、一連の資金移動との関連を調べている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031207-00000401-yom-soci