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2003年12月06日(土) 06時08分

巨人 「歴史的第一歩」はゴリ押し終結スポーツニッポン

報道陣に囲まれ質問に応じる加藤弁護士    巨人の代理人問題が灰色のまま収束した。巨人・上原浩治投手(28)の代理人を務める加藤君人弁護士(37)は5日、都内のホテルで会見し、巨人・三山秀昭代表(57)に対し法的措置をとらないことを明かした。三山代表が名誉棄損に関する警告書への回答書の中で謝罪したためで、部分的には円満決着。だが、肝心の代理人交渉については巨人側が認めず、とことん“面子”にこだわる巨人がゴリ押しで問題を終結させた。

 巨人は最後まで「代理人交渉」と認めなかった。最大の争点であった問題が解決されないうちの終結。そのもどかしさからか、会見で加藤弁護士は約50人の報道陣の前でこわばった表情のまま口を開いた。

 三山代表に対し法的措置も辞さない姿勢を示していたのが、一気にトーンダウン。三山代表から送付された回答書に関し「回答に球団及び三山代表の誠意が感じられた。三山代表から陳謝の言葉ももらったし、名誉の回復がある程度達成された」と説明し、法的措置はとらないとした。

 11月27日に加藤弁護士が同席して行われた上原の契約更改交渉。その交渉後に三山代表から「これは代理人交渉ではない」とする発言があった。この発言が事実無根であるとして、上原サイドは名誉棄損に関する警告書を送付。指摘したのは別掲の表の3点だったが、加藤弁護士によると三山代表は回答書の中で(1)について「巨人軍として従うべき手続きは2000年11月のオーナー会議での合意事項であるとの認識は変わらない」と主張。(2)、(3)については自らの発言が誤解を招いたとして陳謝した。

 加藤弁護士は(2)、(3)に対する回答で三山代表の誠意が感じられたとして法的措置という“矛”を収めたが、肝心の(1)の代理人交渉の成否では双方の主張が平行線をたどったままだ。「相手方の認める認めないで代理人の法律上の地位が変わることはない。球団の主張はおかしいと思う。正直、納得していない」とした加藤弁護士は、続けて「同じケースにならないよう選手会と野球機構との間で統一したルールをつくるよう強く要望したい」と説明。一選手と球団が争う問題ではないとして、代理人交渉の明確な制度化を選手会及び野球機構へ求めた。

 今回の問題の最大の争点を棚上げしての終結。上原サイドとしては不満を残したままの“灰色決着”となったが、巨人サイドにとっては大きな意味がある。上原サイドに陳謝しながらも、あくまでも代理人交渉とは認めない。代理人交渉に否定的な見解を示す渡辺オーナーのメンツを、不整備なルールを盾にして守り切ったことになる。この日、加藤弁護士に電話で直接、謝罪の言葉を伝えた三山代表は「加藤さんとは電話で話しました。その(会見の)内容をもって私はノーコメント」と話した。

 巨人のゴリ押しで収束した代理人問題。上原が記したはずの“歴史的第一歩”は、今後の課題として残っただけだった。(スポーツニッポン)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031206-00000000-spn-spo