2003年12月06日(土) 00時00分

豊島区、放置自転車税成立へ 区側『協力はなかった』 （東京新聞）

　区内の池袋駅前の放置自転車が全国で最多になったこともある豊島区が、放置自転車対策の新税構想を打ち出して約二年。これに猛反発している鉄道事業者を急きょ参考人として招く異例の展開の中で五日、区議会総務委員会が開かれ、過半数の委員が新税導入にゴーサインを出した。

　この日の総務委員会は、四日の委員会で「鉄道事業者からも意見聴取をすべきだ」と委員から提案があったのを受け、区内に駅を抱える五鉄道事業者が参考人として招かれた。ＪＲ東日本、東武鉄道、西武鉄道、営団地下鉄、都交通局を代表してＪＲ東日本の冨田哲郎常務が意見陳述し、課税の違法性、課税後の決算に対する懸念などを訴えた。また各事業者がこれまでに行った放置自転車対策の実例を披露し、委員らの理解を求めた。

　鉄道事業者の退席後、区幹部との質疑が行われ、区側は、事業者側の主張をほとんど否定した上で「協力はなかった」と指摘。訴訟については「訴えられても粛々とやる」と揺るぎない決意を表明した。

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　同様に放置自転車問題を抱える二自治体の実情を探った。

　【新宿】歓楽街などを抱え、放置自転車問題は深刻。区内三十駅周辺の放置台数は十月調査でミニバイクを含め計六千台余り。新宿駅周辺は約千台に上り、新大久保、高田馬場の両駅周辺も目立つという。

　駅周辺に駐輪施設の確保は難しく、区は「駅やバス停まで近い人は歩きましょう」と自転車利用の自粛をＰＲ。地元町会などと連携したモラル啓発や駐輪指導、撤去活動を中心に展開、歩道上に臨時的に駐輪スペースを設ける「自転車等整理区画」の増設も検討している。担当者は「まずは区民の理解と協力が何より大切」と訴えている。

　【江東】マンション建設ラッシュによる人口急増で、営団地下鉄豊洲駅周辺の放置自転車数は、昨年の都の調査で、新宿、池袋に次いでワースト３。区は今年九月、千五百台収容の仮設駐輪場を開設、同駅周辺を放置自転車禁止区域に指定した。以降、放置自転車数は日に百台程度まで減少しているという。

　来年十月をめどに、三階建て駐輪場を新設予定で、既存五百台分の駐輪場と合わせ二千五百台収容可能となる。二〇〇五年度延伸予定のゆりかもめの駅前広場にも駐輪場を確保する方針という。

　豊島区の新税について、区は「注目はしているが、現時点では区として特別に検討はしていない」と静観の構え。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20031206/lcl_____tko_____000.shtml