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2003年12月05日(金) 00時00分

がん患者に糖尿病薬 横浜中央病院朝日新聞・

  横浜市中区の社会保険横浜中央病院で9月26日、抗がん剤を出すべきだった同市の無職の男性(66)に、糖尿病の薬が処方されていたことがわかった。病院側によると、男性は受診科を誤り、病院も同姓の別の患者のカルテと間違うミスがあったという。男性は薬を受け取った約2週間後に死亡している。カルテなどの任意提出を受けた加賀町署は、服用の有無と、服用した場合の死亡との関係を調べている。

  病院側によると、男性が薬を飲んだかどうかは確認できていないといい、「死因は肺炎であり、服用したとしても副作用で起きる症状ではない」と投薬との関係を否定している。

  説明では、男性は7月に食道がんの手術を受け、9月12日に退院した後、初めての通院だった。

  病院は退院時に「外科の外来で診察を受けるように」と書かれた紙を渡していたが、男性は自動の再来受付機に診察券を入れて「内科」「薬」と入力。診察なしで投薬だけ希望する形で、内科の受付に行ったという。

  一方、男性の再来を受け付けた内科では、事務員の1人が誤って、男性と同姓の別の患者のカルテを取り出した。同病院では、7けたのID番号のうちの2けたの数字を使ってカルテを整理しているが、この数字が男性と同じで、同姓の糖尿病患者がいた。薬を処方した医師も受け付けた患者名とカルテの患者名が違うのに気付かず、血糖値を下げる薬などが処方された。

  同病院では、同姓同名の患者が複数いる場合、カルテの生年月日欄に目印をつけるなどして対策を取っている。しかし、今回は目印はなく、事務員が名前の確認を怠っていたという。また、男性に薬が渡される際、薬剤師は処方データに糖尿病薬がないことを確認し、「糖尿病は初めてですか」と聞いたという。

  男性は通院の3日後に自宅で意識を失って倒れているのが見つかり、同病院へ運ばれたが10月10日に死亡した。低血糖症で昏睡(こんすい)状態に陥って倒れた可能性が高いという。

  病院によると、直接の死因は大葉性肺炎だった。坂田寿衛院長は「不幸な偶然が重なった。遺族には気の毒だが、薬剤師が確認した際『自分は糖尿病ではない』と申し出て欲しかった」と話している。

(12/5)

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news02.asp?kiji=4846