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2003年12月05日(金) 11時58分

オウム・林泰男被告、2審も死刑読売新聞

 地下鉄サリン事件でサリンの散布役を務め、殺人罪などに問われたオウム真理教元幹部・林泰男被告(45)の控訴審で、東京高裁は5日、1審・東京地裁の死刑判決を支持し、被告の控訴を棄却する判決を言い渡した。

 村上光鵄裁判長は「多量のサリンを散布し、8人の尊い生命を奪ったことに照らせば、死刑を選択するほかない」と指摘した。オウム真理教による一連の事件で、2審も死刑とされたのは4人目。

 控訴審で弁護側は「上級幹部からの指示を断れば、殺されるという恐怖心から実行した」と主張し、従属的な犯行だったとして死刑の回避を求めていた。

 これに対し、村上裁判長は、林被告が他の散布役よりも1袋多い3袋のサリンを電車内に持ち込み、5人の散布役のうち最も多数の8人の死者を出したことを重視。「サリン入りのビニール袋を傘の先端で何回も突き刺し、すべての袋からサリンを発散させた行為は、積極的な意志の表れと言わざるを得ない」と認定し、弁護側の主張を退けた。また、林被告が逮捕直後から犯行を全面的に認め、被害者・遺族への謝罪を繰り返した点を評価しながらも、「酌むべき事情を最大限考慮しても、罪責は誠に重大」と述べ、極刑を選択した。

 判決は、林被告の犯罪事実について〈1〉1995年3月の地下鉄サリン事件で、地下鉄日比谷線内にサリンを散布し、同事件の死者12人のうち8人を死亡させた〈2〉94年6月の松本サリン事件でサリン噴霧車の製造に関与した〈3〉95年5月の新宿駅青酸ガス事件で見張り役を務めた——と認定した。

 林被告は、判決の冒頭で死刑判決を意味する「控訴棄却」が言い渡されても、表情を変えず、手を前に組んだまま、じっと裁判長を見据えていた。

          ◇

 弁護士によると、林被告は、差し入れられた宗教や哲学などの本を幅広く読み、特にチベット密教やインド密教関係の翻訳本に興味を示してきた。接見の際、「なぜ日本には本物の宗教者が現れないんでしょうか」と、宗教談議をすることもあった。独房では座禅をしながら、犠牲者へのめい福を祈ってきたという。

 控訴審の被告人質問では「弁解の余地はなく、情状に値するものもありません。(被害者に)おわび申し上げます」と改めて謝罪した。1審の時から死刑を覚悟しており、今月1日の接見では、控訴審判決の量刑について話題にならなかったという。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031205-00000304-yom-soci