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2003年12月05日(金) 06時49分

盗聴の情報「第三者情報と装え」と会長指示 元課長供述朝日新聞

 大手消費者金融「武富士」に批判的なジャーナリストらの通話を盗聴したとされる同社元課長の中川一博容疑者(42)=電気通信事業法違反容疑で逮捕=が、盗聴で得た情報の取り扱いについて、共犯容疑で逮捕された会長の武井保雄容疑者(73)から「『第三者から得た情報と装って社の広報部門に伝え、対応を協議させろ』と指示された」と話していることがわかった。警視庁は、盗聴の事実が社内に広まるのを防ごうとしたとみている。

 盗聴被害者の1人のジャーナリスト山岡俊介さん(44)は、限られた相手に電話でしか話していない内容を見知らぬ人物に示され、取材をやめるよう暗に求められたという。武富士側が盗聴内容を第三者に伝えて圧力をかけさせた可能性もあり、警視庁が調べている。

 捜査2課の調べによると、山岡さんらの通話内容を録音したテープは調査業「アーク横浜探偵局」の重村和男容疑者(57)=同=が中川容疑者に渡していた。これを武井会長と中川容疑者が、東京・新宿の武富士本社11階にある会長室で聞いたとされる。

 中川容疑者の弁護人らによると、武井会長はテープの中からいくつかの情報を選び出して中川容疑者に示し、「広報に伝えなさい。対応を協議させる」などと話したという。

 山岡さんの話では、武富士関連の取材を進めていた01年2月上旬、面識のない男性から突然呼び出しを受けた。待ち合わせの場所で、いきなり紙袋を差し出された。中身は確認せず、受け取らなかったが、「現金が入っていたかも知れない」という。男性は「武富士の批判ばかりしているようだが、武井さんはいい人ですよ」などと言った。

 山岡さんは00年12月から01年2月にかけて、都内の自宅電話の通話内容が盗聴されたことがわかっている。警視庁が入手した盗聴内容の録音テープには、山岡さんが武富士取材をめぐって関係者と交わした会話が含まれていた。

 武富士広報部は4日、武井会長が中川容疑者に指示したとされる内容について「そのような事実は承知していない」と否定した。(12/05 06:32)

http://www.asahi.com/national/update/1205/007.html