2003年12月04日(木) 15時04分

＜ヤミ金融事件＞五菱会が組名改称　批判回避が狙いか（毎日新聞）

　組織的ヤミ金融事件で摘発された指定暴力団山口組五菱会（静岡市）が組名を「二代目美尾組」に改称したことが警視庁、静岡県警など合同捜査本部の調べで分かった。捜査本部は４日、同会会長、高木康男容疑者（５５）に対する組織犯罪処罰法違反（犯罪収益等収受）の容疑で静岡市清水庵原町の同会本部と、同県焼津市八楠１の高木容疑者の自宅など３カ所の家宅捜索に着手した。同法違反容疑で同会本部を家宅捜索するのは初めて。

　組織の改名は１０月の山口組総本部（神戸市）の強制捜査など一連の摘発が影響したとみられ、捜査本部は新組織の構成、ヤミ金融収益の上納の実態を調べる方針だ。

　調べでは、高木容疑者は、同会系貸金業総括経営者、梶山進容疑者（５４）らが０１年７月ごろから今年４月ごろ、東京都内の金融機関などでヤミ金融店長らに収益の一部から購入させた割引金融債計５０００万円相当を受け取った疑い。

　捜査本部によると、五菱会は昨年１０月、前身の美尾組の組長が病気で引退したのを機に、３次団体・陣内組組長だった高木容疑者が後継として発足させた。ヤミ金融で蓄えた資金力によって頭角を現した。しかし、相次ぐヤミ金事件の摘発で資金力が弱まった。組名変更は、山口組総本部への追及や社会的批判の集中を回避する狙いもあるとみられている。

　警視庁によると、同会は傘下に３次団体約８０団体、構成員約３００人を抱え、東京進出を機に準構成員を増やしていたという。【田中義宏、小松雄介】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031204-00001074-mai-soci