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2003年12月04日(木) 03時08分

盗聴、批判記事掲載後の株下落直後から 武富士事件朝日新聞

 消費者金融「武富士」幹部らによる盗聴事件で、ジャーナリストの山岡俊介さん(44)の電話が盗聴されたのは、山岡さん執筆の武富士批判記事が雑誌に掲載され、同社の株価が急落した直後だったことがわかった。警視庁は、同社会長の武井保雄容疑者(73)=電気通信事業法違反容疑で逮捕=らが山岡さんの動向を探り、さらに批判記事を書かせないよう工作する目的で盗聴したとみている。

 山岡さんの記事が雑誌に掲載されたのは00年10月末。内容は破綻(はたん)した生命保険会社をめぐる詐欺事件を検証するもので、この中で、事件の被告に資金を提供していた会社として「ノンバンクのT社」などの表記で武富士を登場させていた。

 記事の影響は不明だが、それまで1万1000円前後で推移していた武富士の株価は、1カ月後の11月下旬には5000円台にまで下落した。

 武富士は「下落は事実無根の記事が原因で、風説の流布にあたる」として、証券取引等監視委員会や東京証券取引所に調査を申し入れた。

 山岡さんの自宅電話は翌12月から01年2月にかけて盗聴された。

 武井会長から盗聴の指示を受けたとされる同社元課長の中川一博容疑者(42)=同容疑で逮捕=は調べに対し、「武富士はメーンバンクを持たず、外国からの資金調達に力を入れていた。投資家を引きつけるため(株価の)右肩上がりが必要。マイナス要因を打ち消す必要があった」と供述している。

 当時を知る元社員によると、武井会長は株価の動きに敏感で、頻繁に秘書から同業他社の株価とともに報告させていた。

 有価証券報告書によると、武富士の大株主は武井会長や親族、グループ企業。別の元社員は「グループ企業は、武富士株を担保に武富士から融資を受けており、株価の下落はグループ全体に影響する。武井会長は当時の急落に気が気ではなかったはず」と指摘する。

 警視庁は、2日に続いて3日も東京都新宿区の武富士本社など数カ所を家宅捜索し、段ボール箱約300個分の資料を押収した。これらを分析して武井会長らによる盗聴の経緯解明を進める。(12/04 03:08)

http://www.asahi.com/national/update/1204/003.html