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2003年12月04日(木) 03時05分

武富士事件、別幹部指示の盗聴も読売新聞

 消費者金融最大手「武富士」(東京都新宿区)会長の武井保雄容疑者(73)らによる盗聴事件で、逮捕された元専務や元課長とは別の幹部の指示で、不祥事を起こした元支店長の自宅でも盗聴が行われていたことが分かった。

 盗聴にかかわった複数の元社員が読売新聞に証言した。元専務と元課長は警視庁の調べなどに、計12人の社員やジャーナリストらを対象として盗聴を依頼したと供述しているが、元支店長はこの中に含まれていない。武富士には元専務、元課長とは別の盗聴活動があったことになる。

 元社員らの証言によると、昨年春ごろ、東海地方の支店で架空の貸し付けが実行されているとの疑惑が浮上。社内調査が始まった直後に、この当時の支店長が出社しなくなり行方がわからなくなった。昨年6月になって、武富士本社の幹部が管理部門の中堅幹部に「誰にも話すな」と念を押したうえで、支店長を見つけるために支店長宅を盗聴するよう指示。中堅幹部はさらに、複数の社員に盗聴を指示したという。

 部下の社員らはまず、室内で拾った音声を無線で受信機に伝える、コンセントに似せた盗聴器を、東京・秋葉原で約5万円で購入。武富士の借り上げ住宅となっていた支店長のアパートに大家側の了解を得て入り、盗聴器を設置した。社員らはアパート近くに止めた車の中などに隠れてアパート周辺の張り込みを行う一方、受信機を聞き続ける盗聴活動が始まった。

 元社員らによると、盗聴は数日間行われた。この間に支店長が妻に電話をかけてきたことがあり、まもなく妻が知人とともに車で外出したため、支店長と落ち合う可能性があるとして、待機していた別の複数の社員が車とバイクで尾行したこともあったという。

 元社員の1人は、「盗聴や張り込みには10人以上の社員が駆り出された。現場にいた社員は、盗聴内容などを本社幹部や中堅幹部に電話で報告していた」と証言。「盗聴がいけないことだとは思っていたが、上からの指示なので仕方なかった」と話している。

 支店長はその後、警察に逮捕され、今年になって業務上横領罪などで実刑判決が言い渡された。

 武富士をめぐる電話盗聴事件では、逮捕された元専務小滝国夫容疑者(61)が警視庁などに、社員や元社員ら7人を盗聴していたと説明。また、元専務から盗聴を引き継いだという元課長中川一博被告(42)は、社員やジャーナリスト6人を盗聴したと供述している。このうち1人は重なっているため、これまで計12人が盗聴されていたことがわかっているが、問題の支店長はこの中に含まれていない。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031204-00000001-yom-soci