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2003年12月03日(水) 12時53分

手術中、25分間輸血できず…大量出血で女性脳死状態産経新聞

 東京女子医大第二病院(東京都荒川区)で5月に悪性黒色腫の摘出手術を受けた女性(74)が、手術中に6600ミリリットル余の大量出血を起こし、輸血措置の遅れで低酸素脳症となり、脳死に近い状態に陥っていることが3日、分かった。

 井上和彦院長は同日記者会見し「出血量の把握や輸血準備などに関し、医師間の連携が不十分だったことが原因と考えている」と謝罪。血液不足で手術中の25分間、輸血ができなくなっていたことを明らかにした。

 一方で、大量の出血が予想外だったことを繰り返し強調し「明らかなミスがあったとは考えていない」と述べた。

 病院によると、女性は約2年前に同病院で直腸がんの一種、悪性黒色腫の摘出手術を受けた。今年初めになって再発が見つかり、4月に入院、5月12日に手術を受けた。手術は外科の教授らが執刀した。

 1200ミリリットルの血液を準備していたが、手術中に約6680ミリリットル出血。血圧が低下した結果、低酸素脳症で脳死に近い状態となり、現在も入院中。輸血量は約3740ミリリットルだった。

 大量出血が予想されたが、手術前に麻酔医らに伝わっておらず、患者や家族に対しても説明していなかったという。

 家族側の関係者によると、病院は手術前「比較的簡単な手術」などと説明。手術直後は「予想より出血が多かったが、仕方ない出血だった。腫瘍(しゅよう)が思ったより大きかった」などと話していたという。

 東京女子医大第二病院は20の診療科を持ち、病床数は約400。東京都から、入院を必要とする重症患者らに対応する2次救急医療機関に指定されている。

 東京女子医大第二病院で悪性黒色腫の摘出手術を受けた女性(74)が、大量出血で脳死状態になった医療事故で、井上和彦院長らが3日、同病院で記者会見し、血液の不足で手術中の25分間、輸血ができなくなっていたことを明らかにした。

 井上院長は「出血量の把握や輸血の準備などに関し、医師間の連携が不十分であったことが原因と考えている」とした上で、大量の出血が予想外だったことを繰り返し強調し「明らかなミスがあったとは考えていない」との見解を示した。

 病院によると、手術は5月12日午後2時すぎに開始。準備した1200ミリリットルの血液は午後3時半に底をつき、25分間輸血が止まった。午後3時15分ごろ、院内の輸血部に追加の血液を依頼したが、検査に手間取り間に合わなかった。

 大量出血が予想されたが、手術前に麻酔医らに伝わっておらず、患者や家族に対しても説明していなかったという。

 井上院長は女性の家族に対してあらためて謝罪し「事実経過の説明や賠償なども含め、誠意を尽くした対応を続けていきたい」と話した。

 病院は手術後、警視庁と東京都に医療事故の発生を報告している。

http://www.sankei.co.jp/news/031203/1203sha092.htm