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2003年12月03日(水) 15時10分

「幹部社員ら13人を盗聴」逮捕の武富士元専務らが供述朝日新聞

 大手消費者金融「武富士」(東京都新宿区)会長の武井保雄容疑者(73)=電気通信事業法違反容疑で逮捕=らによる盗聴事件で、元専務の小瀧國夫容疑者(61)らが、96年ごろから武井会長の指示を受け、武富士の幹部社員やジャーナリストら計13人について盗聴していたと供述していたことがわかった。武井会長の親族や経営方針を批判したとされる人たちで、このうち同法の公訴時効(3年)が成立していないジャーナリスト(57)への盗聴について警視庁が立件する。

 同法違反容疑で逮捕された同社元課長の中川一博容疑者(42)や同法違反の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕された小瀧容疑者ら複数の関係者が、調べに対し認めたという。

 捜査2課の調べなどでは、盗聴された13人は武富士社員10人と山岡俊介さん(44)らジャーナリスト3人。社員の1人は退職後に盗聴された。大半が自宅近くの電話線に盗聴器を仕掛け、通話があると作動して電波を発信し、近くに隠した録音機で通話内容を録音していたとみられる。

 96年ごろ、最初に指示を受けたのは小瀧容疑者だった。武井会長は当時専務だった同容疑者に幹部社員7人の名前を挙げて、「人事管理」や「素行調査」の名目で電話の通話内容を盗聴するよう指示したとされる。小瀧容疑者は「アーク横浜探偵局」経営の重村和男容疑者(57)=同法違反容疑で逮捕=に実行を頼んだという。

 小瀧容疑者は11月14日に逮捕された直後、調べに対し「独断でやった」と話し、武井会長の関与を否定していた。だが最近になって「すべて会長の指示だった」と供述を翻したという。

 小瀧容疑者は71年に入社し、81年常務、91年専務になった。社内で武井会長の「側近中の側近」といわれていた。

 小瀧容疑者が00年6月に退職した後は、中川容疑者が盗聴案件を引き継ぎ、同年夏ごろから、武井会長から6人の盗聴を実行するよう指示を受けた。対象は山岡さんら武富士に批判的なジャーナリスト3人と、当時常務や四国地方の元支店長、首都圏の支店社員ら武富士の3人。

 警視庁が立件を検討しているジャーナリストへの盗聴は01年1月〜2月に実行された。東京・新橋の事務所に盗聴器を仕掛け、電話内容を録音した疑いが持たれている。

 中川容疑者はその理由について警視庁に「武井会長の親族が代表の香港の会社が多額の不良債権を抱えたことがある。このジャーナリストが香港へ取材に行ったとの情報があり、動向を探るためだった」などと説明しているという。

 このジャーナリストは朝日新聞の取材に「盗聴されたとはわからなかった。香港へは別の目的で取材に行ったのであり、なぜ自分が対象になったのかわからない」と話している。

 一方、武富士の3人は00年8月から9月にかけて盗聴されたという。中川容疑者は「インターネット上で、匿名で武富士や会長の親族批判をしたり、本社の支店業務指導をめぐってトラブルを起こしたりしたため」と供述しているという。(12/03 15:00)

http://www.asahi.com/national/update/1203/022.html