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2003年12月03日(水) 01時49分

ディズニー内紛騒ぎ深刻化 会長に退任迫り抗議辞任次々朝日新聞

 米娯楽大手ウォルト・ディズニーが内紛に揺れている。マイケル・アイズナー会長兼最高経営責任者(CEO)に退任を迫って、創業者一族のロイ・ディズニー副会長が辞任したのに続き、1日には別の取締役も会長批判の抗議文を突きつけて辞任した。夢を売る企業で、「長期政権批判」や「定年制適用を巡るごたごた」などイメージにそぐわない対立が表面化している。

 「ディズニーには今、新鮮でエネルギッシュなリーダーが必要だ」

 30日に辞任したディズニー副会長(73)は抗議文の中で、アイズナー会長(61)にはっきりと退任を求めた。副会長は創業者ウォルト・ディズニー氏のおいで、67年から取締役を務めてきた。最後の創業家出身取締役だった。84年にアイズナー氏を経営トップに迎え入れたのも、彼だったという。

 副会長は抗議文の中で、アイズナー会長の会社運営について「最初の10年余りは非常にうまくいったが、94年以降は焦点が定まらなくなり、創造的な力も失ってしまった」と断じた。「傘下の米テレビ大手ABCの視聴率低迷」、「パリ、香港でテーマパーク投資を安っぽいものにした」、「ここ数年続く優秀な人材の流出」など7項目にわたり、アイズナー体制の問題点を挙げた。

 01年の同時多発テロや景気低迷などの影響で、ディズニーの業績は伸び悩み、00年に40ドルを超えていた株価は、02年には一時14ドル前後にまで落ち込んだ。米メディアによると、会長と副会長の間で経営方針を巡る対立が表面化したのは、株価が急落した02年ごろだったという。

 ディズニーの03年度(02年10月〜03年9月)の業績は、売上高が前年度比7%増の270億ドルに達するなど持ち直しつつあり、株価も現在は23ドル前後に回復している。

 今回の騒動は、取締役会が「役員の72歳定年制」を理由に、73歳のディズニー副会長に退任を求めたのがきっかけとなった。

 副会長の「抗議の辞任劇」を受け、取締役会は30日、「ディズニー氏に対して、取締役会の全会一致で決まった定年制が、同氏とその他2人の取締役に適用されると最近通知した。ルール適用に際して、同氏が会社の方向性への批判を再び展開しているのは残念なことだ」との声明を出した。

 しかし、1日には副会長に近いとされるスタンリー・ゴールド取締役(60)も、会長の退陣を迫る形で辞任した。

 創業家出身とはいえディズニー氏の持ち株は全株式の1%にも満たず、資本面での影響力は限られている。しかし、カリフォルニア州のディズニーランドで今秋起こったジェットコースターの死傷事故で、批判にさらされている同社にとって、内紛によるさらなるイメージの低下は避けられそうにない。

(12/03 00:14)

http://www.asahi.com/business/update/1203/001.html