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2003年12月03日(水) 12時57分

「年金納めないと妖怪に?」 保険事務局広告に抗議殺到朝日新聞

 若者の国民年金離れに頭を痛めている社会保険庁岐阜社会保険事務局が、保険料の未納付者らを妖怪にたとえた広告を岐阜県内の無料情報誌に掲載した。これに岐阜県内の医療、福祉関係の団体でつくる県社会保障推進協議会が猛反発。「納めたくても出来ない人がいるのに」との抗議に、同事務局は「配慮を欠いた」と陳謝した。

 広告は、岐阜市内で無料配布されている生活情報誌「月刊ぷらざ」11月号など同県内の三つの無料情報誌に掲載された。計25万部発行で、広告料は約60万円という。

 「年金妖怪大辞典」と題し、「年金を納めていないとこうなるかも?!…」として、保険料を納めない人などを妖怪にたとえている。

 「必ず納めるから」と言いながら未納付の女性は「口だけ女」、納付した年数が足りないのに無理やり年金をもらおうとする人は「無理カベ」、年金未加入だったので収入を失い泣いているお年寄りを「大泣きジジイ」などだ。

 この広告に対し、同協議会は2日、約30人が岐阜市橋本町の同事務局に詰めかけ、「納めたくても出来ない人もいる。傷つくと思わなかったのか」と謝罪広告の掲載を求めた。

 応対した蓮見誠局長は「若者に親しまれるように作ったつもりだった。今思えば配慮を欠いた。反省する」と陳謝。謝罪広告については「お金がかかることなので本庁と協議したい」とした。

 同事務局によると、岐阜県内の保険料未納率は02年末で27.1%。年々増加傾向にあるという。職員の一人は「納めて欲しい一心だったのだが……」と言葉少なだった。(12/03 12:53)

http://www.asahi.com/national/update/1203/016.html