2003年12月03日(水) 12時21分

膵臓単独移植「死亡の危険増す」・米国立衛生研（日経新聞）

　糖尿病の治療目的で行う膵臓（すいぞう）移植は、腎臓との同時移植でなければ、移植を受けない場合より死亡の危険が増すとの調査結果を、米国立衛生研究所のグループがまとめ、3日付の米医師会雑誌に発表した。

　手術で体に負担がかかることや、免疫抑制剤の影響が原因らしい。グループは「膵臓単独の移植は考え直した方が良い」と指摘している。

　1995年1月から2000年12月にかけ、米国の臓器移植ネットワークに登録していた膵臓移植の待機患者約1万1000人を調査。移植を受けた患者と、受けられなかった人を比べた。

　手術4年後の生存率は、膵臓単独の移植を受けた人は85・２％だった。これに対し、単独移植を希望しながら受けられずに4年経過した人は92・１％。移植を受けた方が生存率が低く、移植は死亡の危険を増すとの結果になった。

　腎臓移植を受けた上で、後に膵臓単独移植を受ける場合も、4年後の生存率は84・５％で、同様の手術を希望したまま4年経過した人の88・１％より低かった。〔共同〕(12:21)

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031203AT3K0301D03122003.html