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2003年12月02日(火) 19時04分

足利銀行・破たん処理 苦情、問い合わせ次々−−目立つ「株どうなる」 /栃木毎日新聞

 ◇足銀、県に
 あしぎんフィナンシャルグループ(本店・宇都宮市)傘下で経営破たんした足利銀行は1日、一時国有化された。同行各店舗の営業窓口で目立った混乱はなかったものの、同行や県が設けた相談窓口には、株主らから苦情や問い合わせの電話が次々と寄せられ、終日対応に追われた。
 ◇「国の対応に手応え」−−首相らと知事会い
 県出納局のまとめによると、県の相談窓口に寄せられた相談件数は1日午後7時までに、計512件に上った。保有している株式がどうなるかなど株主からの質問が多く、いずれも怒りや困惑を示していたという。
 また、足銀の電話による相談窓口には、前日の倍に当たる約400件の抗議や問い合わせ電話があったという。
 一方、福田昭夫知事は1日、金融庁の竹中平蔵金融・経済財政担当相や日銀の福井俊彦総裁らを訪ね、県内企業への金融支援などを強く要請した。全国知事会に出席後、帰県した福田知事によると、足銀問題について小泉純一郎首相と話した際、首相は「竹中大臣に言ってある。心配のないよう頑張るよ」と話したという。福田知事は「今後の(国の)対応については手応えはあった」と振り返った。
 ◇自治体も相談窓口開設
 各自治体などは1日、相次いで役所内などに相談窓口を開設した。
 宇都宮市は市役所1階と12階の2カ所に相談窓口(午前9時〜午後7時、無休)を開設。問い合わせは市商業観光課電話028・632・2434。市は制度融資の一部で貸出枠の拡大を決め、定例議会に補正予算を追加計上する。
 足利市は市役所市民ホールロビーに相談窓口(平日午前8時半〜午後7時)を開設した。
 小山市は商業観光課に相談窓口を設置。緊急融資制度の検討、県が設置する緊急セーフティーネット資金の積極的活用を決めた。
 黒磯市と那須町は中小企業向けの相談窓口を開設する一方、制度融資枠の拡大を決定。大田原商工会議所と黒磯市商工会も相談窓口を開設した。
 日光市は観光商工課と日光地区商工会議所日光事務所内に設置した。
 ◇株「紙くず」に怒りも−−窓口営業は通常通りに
 経営破たんした足利銀行は1日午前、一時国有化決定後、最初の窓口営業を始めた。大きな混乱はなかったが、株が事実上「紙くず」となったことに怒りを抑えきれない株主の姿も見られた。
 同行によると、この日、本部の行員約200人を県内外の全店舗に配置し、来店する株主や預金者らへの対応に備えた。
 宇都宮市桜4の同行本店では午前9時の開店後、通常通り営業が行われた。来店した同市内在住の男性工場経営者(72)は「(破たん決定前日の)28日に行員から『優先株は問題ない』と言われた。うそをつかれたので文句を言いに来た」とあきれた様子だった。貸金庫に預けた株を取りに来た同市内在住の女性会社経営者(73)は「紙くず同然だと思う。記念に取っておくぐらいでしょうね」と語った。=一部地域既報
 ◇小山市議会で足銀が陳謝
 小山市議会の全員協議会が1日開かれ、大久保寿夫市長は足銀への3000万円の出資について「地域経済の安定を図るため支援しただけに大変遺憾だ。株が無価値になることは痛手で、市民の税金を増資したことを重く受け止めている」と述べた。足銀の広木富雄地区統括は席上「株式は最終的に無価値になると思う。増資をお願いしてきたなか、おわびするのみだ」と陳謝した。同市経済部によると、昨年1月の同市内の増資は市、企業、個人を含め477件、約10億2600万円(約900万株)に上った。
 ◇連合が雇用の維持など要請
 連合栃木(伍井邦夫会長)は1日、足銀破たんを受け、福田昭夫知事や栃木労働局などに対し、雇用を維持、確保する施策の実施を求めて要請書を提出した。また株が事実上無価値となったことに関連し、県が99年と02年に計6億円の増資を行ったことなどに対する県と県議会の責任を明らかにするよう求めている。
 伍井会長は「年末を迎え、資金繰りに苦しむ企業への影響が出てくるのはこれからだろう。県には徹底した支援策を講じてほしい」と話した。
 ◇観光協会は「金融支援を」
 足銀破たんで、温泉旅館やホテルなどの経営者らで作る県観光協会(廣川允彦会長、会員数439人)の幹部らが1日、県観光課を訪ね、金融支援体制の強化を求めた。県産業の中でも特に足銀とのかかわりが強く、「第2、第3の足銀を出さないでほしい」など不安と窮状を訴えた。
 廣川会長らは「業界はパニック状態だ。今後の融資の不安に加え、せっかく消費が持ち直しつつある中で、栃木の旅館業のイメージが悪くなるのが心配」などと述べた。
 県は、中小企業向けの制度融資枠を300億円拡大する対策を説明したが、協会側は「制度融資は優良企業には適用されても、本当に資金を必要とする企業は受けられない場合が多い。実態に合った制度融資にしてほしい」などと求めた。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031202-00000001-mai-l09