悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年12月02日(火) 12時05分

<日本テレビ>ニュース番組内で「やらせ」 相次ぐ不祥事毎日新聞

 視聴率買収工作問題で揺れた日本テレビ(東京都港区)で2日、今度はニュース番組内で「やらせ」が行われていたことが発覚した。プロデューサーが制作費を流用して視聴率のモニター世帯を買収していた問題が明らかになったのは10月24日。プロデューサーを11月25日付で懲戒解雇し、社長らを同20日付で降格させる人事をしたばかり。今回の「やらせ」は買収工作の発覚後に起こったもので、相次ぐ不祥事に、放送局のモラルが厳しく問われそうだ。

 「やらせ」をしていたのは、11月5日に放送した夕方の「ニュースプラス1」での「究極の美味! 幻のイセエビを探せ!」と題した約20分の特集。社外の番組制作会社が制作し、関東ローカルで放送された。

 日テレ広報部によると、スタッフが「イセエビ漁の達人」と呼ばれる地元の漁師に同行して静岡県の伊豆半島をめぐり、殻ごと食べられるという脱皮したばかりの「かわりエビ」を捕獲するという企画だった。

 ところが、このエビがとれなかったため、あらかじめ、地元の鮮魚店で購入した脱皮したばかりのエビを巻き上げた網につけ、あたかも漁に成功したかのように報道した。

 日テレ内部の調査では、制作スタッフは当初、「やらせ」に使うためではなく、捕獲できなかった場合に料理などで見せるため購入していた、と説明しているという。日テレ社員のプロデューサーは取材に同行しておらず、制作会社に“丸投げ”していた。

 同広報部は「日ごろより事実に基づいた放送をすべく指導監督しておりますが、本件は表現上不適切であったと判断せざるを得ず、番組責任者に対し、社長から厳重注意いたしました。今後このようなことが起きないようさらに指導、監督を徹底する所存です」としている。【内藤陽】

 ◇

 報道局長らに注意 日テレは松本正樹・報道局長と番組担当の報道局チーフプロデューサーを口頭による厳重注意処分とした。

 ▽服部孝章・立教大教授(メディア法)の話 バラエティーやグルメ番組の中でならともかく、報道番組でこうしたことが行われたのが問題だ。テレビ局の中でも、その境界が崩壊しつつあるのかもしれない。取材が成功せずボツになる、というのは報道現場では当たり前。しかしテレビの場合は、放送することを前提として取材費をかけ、ボツにすることが出来なくなっているのではないか。テレビの報道の真実性、信頼性が損なわれることになり、日本テレビだけでなく、テレビ界全体にとって不幸な事態だ。

 ▽放送評論家・松尾羊一さんの話 夕方の民放ニュースはグルメ、旅、そしてデパ地下(デパートの地下商品売り場)情報ばかりが目立つが、事実を押さえなければ単なる作り話にすぎない。情報コーナーのほとんどは外部が制作し、視聴率もそこそこ取れてしまう。これでは“ひまネタの泥仕合状態”だ。いつかはこういうことをする人間が出てくると思っていた。先日、地方局のプロデューサーと話したが、彼らもキー局にあきれていた。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031202-00001023-mai-soci