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2003年12月02日(火) 12時00分

三菱自工クレーム隠し訴訟、1億8千万円で和解読売新聞

 三菱自動車工業(東京都港区)のクレーム隠し事件で、旧経営陣11人が総額11億7700万円の損害賠償を求められた株主代表訴訟は2日、東京地裁で和解が成立した。

 和解金は1億8000万円で、既に役員報酬カットなどによって会社側に支払われた形になっている2000万円を除いた1億6000万円を、旧経営陣が来月末までに同社に支払う。

 また、この1億6000万円で内部告発制度の創設などに活用する「コンプライアンス(法令順守)基金」を新たに作る。原告側弁護団によると、株主代表訴訟の和解で、会社の法令順守のための基金が創設されるのは初めてという。

 原告は、大阪市の企業監視グループ「株主オンブズマン」(代表・森岡孝二関西大教授)のメンバー、四谷勲さん(66)。事件で引責辞任した河添克彦・元社長のほか、道路運送車両法違反(虚偽報告)の疑いで書類送検された遠山智・元副社長、本山彦一・元副社長ら旧経営陣を一昨年3月に訴えていた。

 原告側によると、昨年11月から和解協議が始まり、道路運送車両法の罰金の上限(2億円)を参考にした和解額で双方が折り合ったという。

 訴状によると、三菱自工は1999年までの約30年間、リコールやユーザーなどからのクレーム情報を隠ぺいし続けたが、旧経営陣は国への虚偽報告などを知りながら放置した。原告側は、事件による売り上げ減少や無料点検サービスの費用支払いなどで三菱自工に約115億円の損害が発生したとして、役員1人につき、支払い可能な1億円余の賠償を求めていた。

 和解成立後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した四谷さんは、「再発防止策などが盛り込まれ、ほぼ満足できる和解内容だ」と話した。一方、旧経営陣側弁護団は「早期和解が過去の負債を断ち切り、会社の今後の一層の発展に寄与すると確認している」とのコメントを発表。三菱自工広報部は「コンプライアンス基金設立の趣旨を踏まえ、順法体制の一層の充実のため運用していきたい」としている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031202-00000003-yom-soci