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三菱自動車がリコール（無償回収・修理）関連情報を隠すなどした問題をめぐり、株主の四谷勲さん（６６）＝愛知県＝が河添克彦元社長ら当時の取締役１１人を相手に、約１１億７０００万円を同社に支払うよう求めた株主代表訴訟の和解が２日、東京地裁（永野厚郎裁判長）で成立した。１１人が連帯して１億６０００万円を同社に支払い、同社はこれを「コンプライアンス（法令順守）基金」として活用するとの内容だ。
原告代理人によると、株主代表訴訟の和解金で再発防止を目指す基金が創設されるのは初めて。
基金は独立して管理され、（１）問題が起きたら、社員が法律家など外部の専門家に直接通報できる制度の創設（２）法令順守体制整備のためのコンサルタント費用——などに充てることが確認された。
この隠蔽（いんぺい）問題は００年に発覚。リコール件数を少なく見せかけるため、顧客からディーラーに寄せられたクレームの大部分を別管理とし、運輸省の検査の際に伏せていた。同社や元副社長らが道路運送車両法違反の罪に問われ、０１年５月に東京簡裁で罰金刑を受けた。
三菱自動車は「順法体制の充実、製品の安全対策向上のため基金の適切な運用を図りたい」としている。
(12/02 11:44)