2003年11月30日(日) 19時49分

盲導犬寄付金：ライオンズクラブ会員が一部渡さず　兵庫（毎日新聞）

　兵庫県東部の「ライオンズクラブ国際協会３３５—Ａ地区」の寄付金担当の医師（７９）が、同県盲導犬協会（神戸市西区）への寄付約６０００万円のうち約２１００万円を渡していなかったことが３０日、分かった。医師は事実を認めたうえで「寄付金集めの会合などに使った必要経費で、私的流用ではない」と説明。これに対し同地区は全額返還を求め、刑事告訴も検討している。

　関係者によると、同地区は、盲導犬の訓練センター建設のため、地元や「ライオンズクラブ国際財団」からの寄付金を基に、２度に分けて計約６０００万円を同協会に渡すことを決めていたが、２度目に予定されていた約３０００万円のうち約２１００万円が渡されていなかったという。

　医師は９６年７月〜今年６月、同地区で県盲導犬協会への寄付金の取り扱いを一手に担当し、自分名義の口座で資金を管理。今年６月、医師が通帳を同地区に返還したことで、発覚した。

　医師は「全額を使途不明金とされるのは納得できないが、（１０月までに）返還するという誓約書にはサインした」と説明。一方、同地区の関係者は「返還期限も守られず、告訴すべきという結論に達した」と話している。【山下貴史】

［毎日新聞１１月３０日］ ( 2003-11-30-19:49 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031201k0000m040036000c.html