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2003年11月30日(日) 20時09分

盲導犬同伴の宿泊拒否 徳島県市場町の施設朝日新聞

 視覚障害者団体が10月上旬、盲導犬同伴で宿泊を申し込んだところ、徳島県市場町の施設「金清(かねきよ)温泉白鳥荘」に拒否されていたことがわかった。同荘側は「犬が嫌いな人もいる」などと説明したが、昨年10月施行の身体障害者補助犬法で公共施設は盲導犬の同伴を拒めず、この10月からは飲食店やホテルなどの民間施設にも拡大されている。

 宿泊を拒まれたのは同県の鳴門市視力障害者会(池田梅一会長)の会員10人、ヘルパーら5人と盲導犬2頭。

 同会によると、11月23から1泊2日の研修旅行を計画、「視覚障害者団体の15人で1泊」と予約した。盲導犬の同伴を告げ忘れたため翌日に伝えると「受け入れ経験がない」と断られ、研修旅行は県内の別の施設に泊まって実施したという。

 相談を受けた徳島市の盲導犬育成団体が同荘側から事情を聴いたところ、「階段が多く危ない」と話した。「階段でも支障はない。盲導犬は施設を汚すこともない。法律もできている」と訴えたが「犬が嫌いな人もいる」と説明したという。

 同荘は町全額出資の財団法人「市場町金清自然環境活用センター協会」が運営している。常務理事の尾田正雄・同荘所長は「補助犬法のことは知っていたが、増築で階段が多く、盲導犬同伴者の宿泊を受け入れた経験もない。夜は従業員1人で何かあっても対応できないと思った」と話した。

 これに対し一村和義助役は「申し訳ない」と平謝りで、近く団体に謝罪する。県障害福祉課は「公営的な施設は法の趣旨を理解して率先して対応するべきで残念。町に適切な指導を求めた」としている。

    ◇

 <身体障害者補助犬法> 盲導犬や介助犬、聴導犬を合わせた「補助犬」の育成を進め、障害者の自立や社会参加を促すために制定された。昨年10月の部分施行で、公共施設と交通機関は補助犬の同伴を拒めなくなった。今年10月の全面施行で、飲食店やホテルなど不特定多数が利用する民間施設にまで対象が広がった。

(11/30 19:58)

http://www.asahi.com/national/update/1130/016.html