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2003年11月30日(日) 12時29分

都有地の朝鮮学校校庭、明け渡し求め近く提訴へ朝日新聞

 在日朝鮮人の子ら65人が通う東京朝鮮第二初級学校(東京都江東区枝川1丁目)に対し、校庭部分の都有地4139平方メートルを契約が切れたままタダで使っているとして、都は明け渡しを求め近く提訴する。2年前から払い下げ交渉を進めていたが、都の対応を問う住民監査結果が出たことから、教育機関に対しては異例の強硬姿勢に転じた。朝鮮学校側は「学校を含む一帯は戦前、朝鮮人が強制的に移住させられた歴史的経緯がある」と、反発を強めている。

 同校は45年10月、在日本朝鮮人連盟(後の在日本朝鮮人総連合会=朝鮮総連)の手で始まった。72年に90年まで校庭部分を無償貸与する契約が結ばれた。校舎の部分は学校が所有している。

 その後、契約満了前後に払い下げが協議されたが、価額が折り合わず決裂。01年2月に再び交渉が始まり、都港湾局と学校側とが意見交換を重ねてきた。ところが今年8月、江東区の住民らが「都は土地の適正管理を怠っている」として監査請求。10月初め「学校は無権原(無契約)で土地を占有しており、都は是正措置などを講ずること」とする監査結果が出た。

 これで、都は方針を転換。時価の13億円(1平方メートル約30万円)での土地買い取りと、無契約の間の使用料6億円余りを要求した上で、10月末に交渉打ち切りを通告。最終期限の12月1日以降に提訴する構えだ。

 朝鮮学校側は、「これまでの経緯をまったく無視したやり方だ」と怒りを隠さない。

 学校を含む一帯は、40年開催が決まった東京五輪(中止)のため、会場予定地周辺のバラックにいた朝鮮人労働者ら約1000人を、埋め立て地に建てた市営住宅長屋に移住させた場所だった。戦後の混乱下、都(旧東京市)は住宅管理や家賃徴収を放棄し、朝鮮人団体に委託。住人たちは一画で学校を運営する一方、老朽化した長屋を壊し、それぞれ勝手に家を建てるなどの状況が長く続いてきた。

 95年、まず住宅地について都と朝鮮人側の交渉がスタート。00年、歴史的経緯に配慮して時価の7%で売却する合意が成立し、200戸余りに対し、計1万2600平方メートルの住宅地が払い下げられた。これに準じて、朝鮮学校も同程度の安値での校庭払い下げを都に求めてきたという。

 朝鮮学校側は「都側は歴史的経緯について認識しているはず。突然の変化に政治的意図も感じる。日本人を含む住人の署名を集めるなどして闘いたい」と話す。

(11/30 12:29)

http://www.asahi.com/national/update/1130/008.html