おれおれ詐欺　仲間からも５００万円奪う（東京新聞）

2003年11月30日(日) 00時00分

　東京・多摩地区を中心に多発した「おれおれ詐欺」事件で逮捕された犯行グループの一人が、電話をかける役の少年（１８）に「おれの祖母にも（おれおれ詐欺を）やったな。一千万円をつくれ」などとうそを言い、この少年から現金約五百万円をだまし取っていたことが、二十九日、警視庁捜査二課の調べで分かった。

　調べでは、犯行グループの植井啓介容疑者（２０）は、詐取した金をリーダー格の北岡力容疑者（２３）の銀行口座に入金させていた。だが、犯行に気付いた銀行側が口座を凍結。口座に百万円余の残金があったことから北岡容疑者が激怒し、植井容疑者が仲間の少年に埋め合わせをさせることを提案した。

　少年は以前からの犯行で稼いだ現金約五百万円を持っていた。少年はたくさん詐欺電話をかけていたため、植井容疑者の「おれの祖母にもやったな」という言葉をうのみにし、全額を渡したという。

　一方、捜査二課などは二十九日、詐欺の疑いで、新たに犯行グループの東京都板橋区大山町、無職吉村和樹容疑者（２１）ら二人を逮捕した。

　今回の逮捕で、同グループの逮捕者は九人に上った。

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