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2003年11月29日(土) 00時00分

おれおれ詐欺 被害総額は5600万円 東京新聞

 息子や孫など肉親のふりをして現金をだまし取る「おれおれ詐欺」の被害が止まらない。県内では秋に入って被害件数が急増している。県警捜査二課は「犯人は思考能力を奪おうとせかしてくるが、電話を受けても慌てず、周囲の人も協力して確かめることが最大の防止策」と話している。

 同課によると、県内で確認されている「おれおれ詐欺」は計百十六件、被害総額五千六百万円(十一月二十六日現在)に上る。実際に金をだまし取られたのは六十八件、未遂が四十八件。

 初めて被害が確認されたのは三月三十一日。県西に住む無職女性(78)が孫を名乗る男から「交通事故で現金が必要」と電話を受け約五十万円をだまし取られた。四月一件、五月三件と続き、六月には十五件発生。その後は七月四件、八月はゼロでいったんは収束したかに見えた。

 ところが、九月に九件の被害が出て、十月には四十四件、十一月も三十九件(二十六日現在)と被害が急増している。

 地域別では、初めのころの被害は県南・県西地域が中心で、振り込み先に都銀を指定するケースが多かったが、最近は県央や県北などの山間部でも被害が目立ち始めている。最高で五百万円という高額被害も数件ある。当初は東京近郊のグループが犯行を行っていたが、口コミで広がり十月に入って全国に飛び火した可能性が強いという。

 被害者は七十歳代が四十八件で最も多く、以下六十代(二十四件)、八十代(十八件)と高齢者がほとんど。交通事故を挙げる手口が九割以上を占めるが、中には中絶費用を求めたり、高級下着購入などの理由も。

 中林英二県警本部長は二十八日の県議会で、今月、県内の全金融機関に犯罪に使われる口座凍結などの協力を要請したことを明らかにした。

 常陽銀行では、窓口担当者が高齢者に声をかけたり、行内のネットワークで口座の凍結や注意喚起を促す防止策を整えた。いくつかの支店では窓口担当者が機転をきかせ未然に防いだ例もある。

 県警は、お年寄りの集まりや自治会にも注意を呼び掛けている。 (大橋 清孝)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ibg/20031129/lcl_____ibg_____002.shtml