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2003年11月29日(土) 00時17分

米で携帯電話の番号ポータビリティ開始、サービス選びは価格よりも品質MYCOM PC WEB

米国で24日から携帯電話の番号ポータビリティが始まった。携帯キャリアを変更しても、これまでの携帯番号を使用でき、また固定電話の番号を携帯電話サービスで利用できるようにする制度だ。固定・携帯間の番号受け渡しに関して、固定電話会社の根強い反対があったにもかかわらず、番号ポータビリティ開始にふみ切れた背景には消費者からの強い要望があった。だが、番号ポータビリティ開始から3日が経過、初期採用者は期待ほどの数に達していない。

番号ポータビリティが始まった月曜日は、朝から一般ニュースでも同サービスの開始が伝えられていた。ショッピングモール内の専門店ではサービス変更を求める人が列をつくっていたが、長時間待たされるような状態ではなかった。携帯電話業界の調査会社Mobile Competencyも、初日の新サービス申込者は10万人に達していないと見ている。ただし、現時点での携帯キャリアの人気差がはっきりと判る日だった。

明らかに混み合っていたのは、初日に通常の2〜4倍のサービス申し込みがあったことを発表したVerizon Wireless。少し差が開いてトランシーバのように使える「Push-to-Talk」機能が人気のNextel、そしてT-Mobile、Sprint PCSと続く。閑散としていたのはAT&T WirelessとCingularである。

番号ポータビリティ開始に向けて、1年ごとの無料電話提供、夜間無料時間帯の延長、値下げパッケージなどが各社から提示されていたが、そのような特典に初期採用者は動かされなかったようだ。多様なサービスという点ではAT&T WirelessやSprint PCSがリードしているが、初日の結果を見ると、消費者が、音質、通話可能地域の広さ、カスタマーサービスなどを優先していることが分かる。番号ポータビリティにより、値下げ競争の加熱を危惧する声もあるが、むしろ品質の高いサービスを提供する業者が生き残れそうな様子である。

番号受け渡しのトラブルも続出で、「何時間待ってもサービスが使えない」と販売店に戻ってくる人に、「一晩待ってほしい」と店員が頼み込むほどのドタバタぶり。Mobile Competencyは、初日のトラブルは申し込み全体の4割近かったと見ている。

24日に立ち寄ってみたT-Mobileの販売店では、「ユーザーが事前に旧サービスを解約してしまった」というトラブルが多く、また異なった通信方式では新しい端末が必要になることもあまり知られていなかったという。廃棄される携帯電話の急増を指摘する声もあるが、米国には不要になった携帯電話を、家庭内暴力の被害者などの緊急連絡用に無料配布するリサイクルプログラムがあるので、廃棄処分されるものは少ないそうだ。

一方、固定電話からの変更は、「携帯電話サービスの変更に比べると、問い合わせも少ない」(Verizon Wireless)という。Intelliseekの調査によると、携帯電話ユーザーの42%が番号ポータビリティを意識しているが、自宅の固定電話の番号も携帯電話で利用できるようになることを知っているのは16%。サービスを自由に選択できる点はよく知られているが、電話通信を携帯電話に一本化して管理できるという番号ポータビリティ制度の真の狙いが浸透するには、しばらく時間がかかりそうである。

(Yoichi Yamashita)

(MYCOM PC WEB)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031129-00000093-myc-sci