2003年11月28日(金) 20時37分

＜無駄遣い＞過去２０年で最高額　会計検査院の指摘　（毎日新聞）

　会計検査院は２８日、国や政府関係機関の０２年度決算に対する検査報告をまとめ、小泉純一郎首相に提出した。税金の無駄遣いや不適切な予算執行などの指摘は３１９件で総額４００億１２３５万円。０１年度決算報告の２４３億円を大きく上回り、過去２０年間で最高となった。

　検査は各省庁や出先機関をはじめ、国が出資している特殊法人、独立行政法人など約３万４８００カ所の９．５％に当たる約３３００カ所で実施した。内訳は、無駄遣いや過払いなどが３０８件２９３億円、徴収漏れなどが１１件１０７億円だった。このうち、悪質な「不当事項」は２７２件１８８億円。指摘の中で最も高額だったのは、違法な会計処理を７年間続けていた岡山大医学部付属病院の累計６８億円で、経理の改善を求めた。

　年金・保険関係では、健康保険や厚生年金の徴収漏れが４５億３８００万円。新たに仕事を始めた年金受給者の勤務先３３４事業所が社会保険事務所に届け出なかったため、減額されるはずの厚生年金３億１５００万円が余分に支払われていたケースもあった。

　検査院の指摘で改善された例は、総務省が文部科学省の調査した公立学校数に基づき都道府県に地方交付税を配分していたが、児童・生徒のいない廃校状態の１８１校が含まれていたため、１７億円が過払いだった。郵便局員による定額貯金の横領事件は３７件１３億円で、前年度より５億円増えた。

　民営化が議論されている日本道路公団に対しては、高速道路の料金別納制度を利用している事業協同組合に対し、１５億円も多く割り引いていたことを指摘、公団は同制度を廃止した。【神戸金史】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031129-00000048-mai-soci