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2003年11月28日(金) 15時07分

<医療事故>手術中に脳内出血 聖路加国際病院毎日新聞

 聖路加国際病院(東京都中央区)で今月、脳の動脈瘤(りゅう)を処置する血管内手術を受けた男性(55)が手術中に脳内出血を起こし、意識不明になる事故があったことが分かった。手術は、カテーテル(細い管)を使い動脈瘤にコイルを詰めて血液の流入を止め、破裂を防ごうとするもの。脳を切開しなくて済むため90年代後半から採用する病院が増えているという。同病院は院内に事故調査委員会を設置し、原因究明に乗り出した。

 病院によると、手術は21日、放射線科部長(63)ら医師3人が担当した。部長らは、X線の映像を見ながら直径約1ミリのカテーテル2本を足の付け根から挿入。1本はコイルを詰めるためで、もう1本はコイルを逆戻りさせないため動脈瘤の入り口で膨らませるバルーン(風船)用だった。

 カテーテルが脳底動脈にある約5ミリの動脈瘤に達したところでコイルを詰め、さらに動脈瘤を埋めるためコイルを詰めようとしたところうまくいかず、カテーテルを抜かざるをえなくなった。直後の血管撮影で、くも膜下出血を起こしていることに気づき、手術は中止された。男性は低酸素脳症になり、意識不明の状態が続いている。

 男性は8日、くも膜下出血で入院。9〜10日に出血部位の手術は成功したが、脳底にも動脈瘤があったため、21日に血管内手術を受けていた。

 同病院は、脳底動脈や動脈瘤がカテーテルの挿入やコイルによって傷つき、出血した可能性があるとみている。放射線科部長は、この手術を同病院で約15例経験し、日本脳神経血管内治療学会の指導医も務めている。

 同部長は「動脈瘤が複雑な場所にあったので細心の注意を払い手術を選択した。原因は分からない」と説明した。桜井健司院長は「医療事故であることは確かだが、ミスがあったかどうかは事故調査委員会の結論を待ちたい」と話している。【長谷川豊】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031128-00001071-mai-soci