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2003年11月28日(金) 12時07分

<犯罪白書>刑法犯は戦後の最多記録を7年連続で更新毎日新聞

 02年の犯罪動向をまとめた犯罪白書(03年版)が、28日の閣議で報告された。刑法犯件数は約369万件(前年比3.1%増)で戦後最高を7年連続で更新した。検挙人数も約122万人と戦後最高を更新し、刑法犯(交通事件を除く)で検挙した来日外国人の人数が約7700人で過去最多になった。治安対策が緊急の課題になっていることが統計上も裏付けられた。

 刑法犯の件数は、70年をピークに一時減少したが、75年から増加に転じ96年以後は急増している。検挙率は01年に戦後最低の38.8%を記録し、昨年も横ばいだった。交通事件を除く検挙率は前年を1ポイント上回る20.8%。刑法犯件数の約64%を占める窃盗の検挙率が15.7%から17.0%に回復したのが主な要因とみられる。

 窃盗の中では特にひったくりの急増が目立つ。02年は約5万3000件で、73年の16倍、89年の5倍を記録した。薬物犯罪では、MDMAなど錠剤型合成麻薬の押収量が増加し、過去最高の約19万錠を押収した。合成麻薬は、覚せい剤などと同じ薬理効果があるうえ、持ち運びしやすく体に痕跡も残らないため、若者の間で流行している。

 また、悪質・危険な運転行為に対する罰則が強化された改正道路交通法の施行(02年6月)で罰金額の上限が引き上げられ、同法違反で20万円以上の罰金を受けた人が01年の約970人から昨年は100倍以上の約10万4000人になった。

 犯罪の増加を受け、拘置所・刑務所・少年刑務所の収容人数も約6万7000人(前年比約4000人増)で、戦後の混乱が一段落した63年以後の最高を記録。定員に対する収容者の割合を示す収容率は106.5%で、施設の約9割が過剰収容になっている。

 今年の白書はさらに、殺人・強盗などの凶悪犯罪に焦点を当てて分析し、(1)無職者や経済的破たん者の増大などの社会的背景が犯罪に影響している(2)女性や未成年者、高齢者らの犯罪被害が増えている——などと指摘した。【伊藤正志】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031128-00001022-mai-soci