悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年11月28日(金) 03時00分

ICカード:完全移行にめど3割 多額の整備費が普及の妨げ毎日新聞


 クレジットカードの偽造被害防止の切り札として一部で導入が始まったICカードについて、完全移行への見通しが立っているカード会社が大手26社のうち9社にとどまっていることが毎日新聞の調べで分かった。加盟店舗での端末整備に膨大な費用がかかることが普及の妨げになっているとみられる。欧州などでは磁気からICへの移行が急速に進んでおり、国内の取り組みの遅れが偽造被害を増加させている実態が鮮明になった。

 偽造カード被害が深刻化している問題に関し、毎日新聞は銀行系や信販系など大手カード会社26社にアンケートを実施。全社が回答を寄せた。

 26社のうち、既にICカード導入を始めた会社は19社あった。しかし、新規発行分に限っている場合が多く、磁気からICへの完全移行のめどを明らかにした会社は9社にとどまった。完全移行の時期は06年が2社、07年が5社、08年が2社。残り17社は「未定」や無回答だった。

 IC化が進まない理由は、12社が「(加盟店舗で)専用端末の整備が進んでいないため」と回答。うち4社はさらに「コストに見合う(偽造防止以外の)メリットが少ないため」と答えた。

 日本クレジットカード協会によると、ICカードの専用端末は、今年7月から各社が本格的に導入を始めたばかり。同協会は07年までに40万台の配備を目指しているが、現在の導入実績は約8000台程度で、達成率はわずか2%。業界側は「IC化と端末整備などに1000億円以上かかる」と試算しており、高コストが偽造対策のブレーキとなっている。【鵜塚健、福田隆】

[毎日新聞11月28日] ( 2003-11-28-03:00 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031128k0000m040148000c.html