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2003年11月27日(木) 15時11分

<ヤミ金>割引債で資金洗浄 梶山容疑者、店長に数十億円買わせ毎日新聞

 指定暴力団山口組五菱会のヤミ金融事件で、同会系貸金業総括経営者、梶山進容疑者(54)らが、傘下のヤミ金融店長らに収益金から無記名式の割引金融債を数十億円分購入させていたことが、警視庁など合同捜査本部の調べで分かった。金融機関が無記名式の割引金融債発行を自粛し始めた昨年以降は、米ドルへの両替に移行していたことも判明した。捜査本部は、同会会長の高木康男容疑者(55)と梶山容疑者が割引金融債や米ドルの匿名性を悪用し、巨額の犯罪収益をマネーロンダリング(資金洗浄)し、山口組総本部にも上納していたとみている。

 調べでは、梶山容疑者らは01年7月〜今年4月、各店長らに割引金融債を東京都内の銀行で購入するよう指示していた。関係先から押収した購入明細書で、店長らは500万〜1000万円券を総額数十億円相当購入していたことが判明した。「TO」グループの購入分が最も多く、約10億円に上った。

 割引金融債は、利息相当額をあらかじめ額面から差し引いた価格で発行する利息先取り型の金融債券。1年後の償還期に額面額が支払われる。当初は原則無記名式で、購入者や所有者が特定されなかった。しかし、昨年4月の改正預金保険法施行で無記名式の金融債は預金保険の保護対象外となり、金融機関は記名式の新商品に転換するなどして、無記名式の発行を減らしてきた。

 さらに本人確認法が施行された今年1月以降、無記名式で購入しても満期で換金する際、200万円を超える取引は身分証提示など本人確認が義務付けられた。高木容疑者が割引金融債5000万円相当を今年4月、静岡市内の銀行で現金化した際も本人確認され、逮捕のきっかけとなった。

 一方で梶山容疑者らは昨年7月ごろから、ヤミ金融の収益を米ドルに両替するようになった。関係先の捜索で、計203万5100ドル(約2億2400万円)が押収されている。小口に分ければ本人確認なしで両替が可能なため、より匿名性が高い米ドルにマネーロンダリングの手段を転換したとみられる。【田中義宏】 

◇新たに側近逮捕

 警視庁生活経済課は27日、梶山容疑者の側近でヤミ金融「MO」社長、茂木和智容疑者(35)=横浜市中区本牧原=を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)容疑で逮捕し、「TO」グループの店長5人を同容疑で再逮捕したと発表した。茂木容疑者は「梶山7人衆」と呼ばれた側近の1人。

 調べでは、茂木容疑者は梶山容疑者が管理していた割引金融債(4000万円相当)を、他の割引金融債(約26億円相当)と一緒に今年3月、自分の名義として都内の証券会社で現金化し、犯罪収益を隠した疑い。「TO」店長らは昨年7〜11月、都内の金融機関でヤミ金融の収益約1億4700万円を偽名で米ドルに交換し、犯罪収益を隠した疑い。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031127-00001065-mai-soci