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2003年11月27日(木) 17時19分

希少動物転売、1千万円動く キツネザル2匹死ぬ朝日新聞

 絶滅のおそれのある希少動物の盗難・密売事件で、横浜市の鍛冶工、三村学容疑者(35)=種の保存法違反容疑で再逮捕=が売りさばいた動物は少なくとも5種類、14匹にのぼることが警視庁と埼玉県警の調べでわかった。同容疑者は密売で1カ月に約550万円を稼ぎ、転売を重ねる過程で約1000万円が動いた。人間の勝手な都合で取引された動物のうち、生後間もないキツネザル2匹が死んだ。

 これまでに三村容疑者を含む5人が同法違反などの容疑で逮捕され、買ったペット業者ら5人が書類送検された。

 調べでは、三村容疑者らは5〜6月に、東京都世田谷区の財団法人進化生物学研究所と千葉県市川市動植物園、埼玉県東松山市のこども動物自然公園から計12匹を盗んだ疑い。シセンレッサーパンダやサルの一種のワタボウシパンシェなどだ。

 ほかに横浜市立野毛山動物園で4月にホウシャガメ2匹が盗まれた事件にも関与の疑いがある。

 同研究所には2回忍び込んだ。深夜にドアノブを壊して入り、おりの中から騒ぐサルをかごに入れて持ち出した。共犯容疑の男(36)を見張りに立たせていた。

 すぐに、インターネットで見つけた買い手に売った。希少動物を欲しがる書き込みは多い。「これは」という相手に電話して購入を持ちかけた。歯科医師でもある奈良市のペット業者にカメとサル計4匹を58万円で、埼玉県所沢市の業者にはシセンレッサーパンダを250万円で売った。

 三村容疑者から買った業者らもすぐに転売。歯科医師はサルとカメを大阪市の2人に計85万円で売り、27万円をもうけた。カメはさらに大阪府の業者と千葉県の大学生に売られた。パンダを秋田県の無職の男に339万円で売った所沢市の業者は89万円の利ざやを稼いだ。

 密売された14匹のうち12匹は警視庁が生存を確認し、返すなどした。盗まれた時よりも毛並みの良くなったサルや変わらぬ食欲をみせるカメもいたが多くは弱っていた。死んだサル2匹は同研究所のもので、1匹は生後1カ月。母ザルとともに盗まれ、母ザルだけが無事に戻った。

 別の生後2カ月のサルは研究所に戻ってから2週間後に死んだ。やせて衰弱が激しかった。

(11/27 14:43)

http://www.asahi.com/national/update/1127/024.html