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2003年11月26日(水) 00時00分

慎太郎銀行「無担保でも1億融資」のスゴい中身中小企業の“駆け込み寺”、他行には大脅威ZAKZAK


石原都知事 サービス満点で他行には脅威−。東京都が平成17年に開業を目指す中小企業の味方『慎太郎銀行』の全容が26日までに明らかになった。高度技術を持つ企業には最大1億円の無担保融資の実行や開業から3年以内で融資額1兆6000億円、総資産1兆9000億円などを目指す。貸し渋りや貸し剥(は)がしにあえぐ中小企業には、まさに駆け込み寺的存在となりそうで、「銀行は本来、こういうもの」というお手本を他行に突き付ける存在となりそうだ。

 石原慎太郎都知事が進める『慎太郎銀行』の設立目途は、17年4−6月。融資対象は都内に本社や事業所を置く中小企業で、融資形態は3種類を予定している。

 目玉の融資はまず(1)「ポートフォリオ型融資」で、キャッシュフローを重視し、例え債務超過企業であっても原則無担保で融資するという。

 銀行の審査−融資決定には従来、数日や数週間もかかったが、『慎太郎銀行』では3営業日以内で即決する。貸し付け期間は最長で5年、最大5000万円。金利も2−8%を予定している。


大手行も見習ってほしい石原都知事発案の中小企業の味方『慎太郎銀行』 技術力の高い中小企業が歓迎するのは(2)「技術力・将来性重視型融資」。都が技術力があると認定した企業を対象に、無担保、保証なしで、最大1億円まで融資する。経営サポートももれなく行うというから、まさに至れり尽せりである。

 3番目は信用金庫などの支援を考慮した「シンジケート型融資」。『慎太郎銀行』がスタートすると、規模の小さい信金、信組などが競合の危機にさらされ、これを回避する意味でシンジケートローンに参加する。

 慎太郎知事の斬新(ざんしん)な発想はこれに止まらない。従来の発想を打ち破るこんな“ウリ”も用意している。

 預金者には独自のICカードを発行し、120万枚の発行を目指す。

 交通機関をはじめ、三越のポイントカードや日本航空のマイレージ機能も付け、日本コカ・コーラの自動販売機でもこのカードを使える(買える)ようにするという。

 ATMも万全を期し、約2万6000台にのぼる郵便局、都銀などの2万台、アイワイバンク約6500台も利用できる態勢を整える。

 郵便局やアイワイバンクに限っては当面、入出金手数料を無料化し、通帳を必要としないネットによる取り扱いなどのサービスも並行して進めていくとしている。

 提携先の金融機関はオリックス、日本信販、JCBなど11機関を数え、『慎太郎銀行』の規模は総資産1兆9000億円が当面の目標。地銀でいえば、中位行に匹敵する大きさになりそうだ。

 問題は開業後にすぐに体制を盤石にできるかどうかだが、17−18年に10店舗でスタートさせ、顧客と収益基盤を固めた後、先の3パターンの融資を収益の柱になるまで整え、21年以降に業務拡大を図る予定。開業3年で経常利益70億円を想定し、黒字転換を目指す。

 このような構想に、銀行界では「民間銀行を圧迫する」(都銀幹部)との批判は尽きない。

 その一方で、「従来の銀行がやるべきサービスをやらなかったためにこういうモノが出てきた」(外資系証券)とたしなめる意見もある。

 行政に銀行業務のあり方を示され、ご不満も当然だろうが、皮肉にも見習うべきところばかりの新銀行となりそうだ。

ZAKZAK 2003/11/26

http://www.zakzak.co.jp/society/top/t-2003_11/1t2003112602.html