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2003年11月23日(日) 00時00分

リステリア菌感染 年間83人が重症化 東京新聞

 自然界に広く分布するリステリア菌に国内で感染し、髄膜炎や敗血症などの重い症状に陥る人が推計で年間八十三人に上ることが、二十二日までの厚生労働省研究班の実態調査で分かった。実際に把握できたリステリア症の重症例では約一割が死亡していた。

 欧米ではナチュラルチーズなどを介した集団食中毒が近年頻発しているが、国内の実態は不明だった。市販食品の一部が汚染されているとのデータもあり、厚労省は二〇〇四年度から食品による感染可能性の調査とリスク評価に着手する。

 調査したのは、国立医薬品食品衛生研究所の五十君静信食品衛生管理部第一室長が主任を務める研究班。

 〇一−〇二年、ベッド数百床以上の救急病院を対象に、過去の感染患者数を調査。七百七十三病院から回答があり、集まった事例のうち一九九五年以降の重症事例(延べ九十五人)を分析した。

 九十五人のうち九人が死亡。いずれも六十歳以上で、糖尿病や肺の病気などで免疫力が低下していた人が多かった。リステリア症は健康な成人には発症しにくく、十歳以下の子供と六十歳以上の高齢者で発症者の76%を占めた。事例は散発的で集団感染はなかった。

 ◇リステリア菌

 土中や河川水などに広く分布する病原菌で、低温でも増殖する。体力の低下した人や乳幼児、高齢者が発症しやすく、38−39度の熱などインフルエンザのような症状が出る。重症になると髄膜炎や敗血症を引き起こし、妊婦が死産する例もある。1980年代以降、欧米でチーズや食肉加工品、調理済みのサラダなどを介した集団食中毒が相次ぎ、厚生労働省は88年にフランス産チーズから菌が検出されて以来、ナチュラルチーズを規制している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031123/mng_____sya_____008.shtml