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2003年11月22日(土) 00時00分

手口巧妙オレオレ詐欺/にゅーすリポート朝日新聞・

  「オレだよオレ。大至急お金を送って!」。子や孫を装って電話をかけ、金を振り込ませてだまし取る「オレオレ詐欺」。県警によると、県内の被害は22日現在で未遂を含め45件、被害額は計2870万円に上る。被害者の8割以上は70歳を超えたお年寄りだ。先月からは警察官を名乗ったり、誘拐まがいを演出したりと手口も巧妙になり、もはや「オレオレ」とは呼べない状況だ。県警や金融機関は防止策に頭を悩ませている。
(木村俊介)
 

  ■平日昼に電話

  県内で初めてオレオレ詐欺の被害が出たのは今年5月16日。会津坂下署管内の70代の女性宅に男の声で「ばあちゃん、交通事故を起こして車の修理代がいる」と電話がかかってきた。たった1本の電話で、犯人は20万円を手に入れた。

  以来、「交通事故を起こしたから修理代を」「女性のことで現金が必要だ」など、急いで金を振り込ませようとする電話が相次いでいる。

  手口はだんだん巧妙になっている。

  「お宅の娘さんに金を貸している。払ってもらえない場合、働きに行ってもらう」という脅迫型のほか、郡山市では「子どもを預かった」という身代金目的誘拐まがいの事件も起きた。郡山署によると、電話帳に載っている番号に片っ端からかけていたという。

  今月6日には、いわき市内の男性(78)宅にいわき中央署員を名乗る男から電話があり、「息子さんがいわき市平で信号無視が原因の交通事故を起こした」と言って示談金として東京都内の銀行に128万円を振り込むよう指示された。県警は「示談金の交渉まで警察は立ち入らない」と憤慨するが、具体的な事故現場が示されたのは初めてで、地理に詳しい者の犯行の可能性もある。

  18日には郡山市で福島地検を名乗る男からの電話もあった。

  県警生活安全企画課のまとめでは、オレオレ詐欺の電話がかかっているのは月〜金曜の平日だけ。午前11時と午後1時、2時台が10件以上と多く、金融機関の窓口が開いている時間帯を狙ってかけているようだという。

  ■架空名義の口座利用

  県警などによると、犯人はプリペイド式の携帯電話から電話をかけているとみられるという。プリペイド式は、利用者をあまり厳密に特定していない。00年7月から氏名と住所の登録制を導入したが、虚偽登録や名義貸しが横行している。

  金の振込先も県内の口座ではなく、東京都など都市部にある銀行支店の口座などを指定する。だが、売買された架空名義の口座などのケースが多く、使用者が特定できないという。

  捜査側は金を引き出した際の防犯ビデオなどを解析しているが、多くの利用客から容疑者を絞り込むのは難しい。全国的にみても、逮捕に至ったのは犯人グループが父親名義の口座を使った例などごく少数だ。

  ■被害増える懸念も

  県警などは注意を呼びかけるポスター2万枚を県内に配布。金融機関の窓口では、高齢者が高額の振り込みを依頼した場合は詳しい事情を聴くようにしている。

  しかし、すべての被害を防げるわけではない。ある銀行関係者は一例を挙げた。

  窓口に多額の現金を振り込みにお年寄りがやって来た。銀行員が事情を聴くと、どうやらオレオレ詐欺のようだ。「孫にもう一度確認した方がいいのではないか」と助言しても、「孫の一大事だ。早く振り込まないと」と手続きを強く求めたという。結局、そのお年寄りは後日、被害届を出した。

  また、県銀行協会によると、現金自動出入機(ATM)で振り込みをした場合、銀行員がチェックできないため、詐欺に遭っているのかどうかわからないという。

  県警や同協会は「振り込む前に子や孫に確認を。振り込んでしまっても素早く警察と銀行に連絡してほしい」と呼びかけている。

  日本大学の田中荘司教授は「今まで詐欺に対する注意喚起を怠っていたことが一因。新しい犯罪に老人の知恵がついていっていない。高齢化社会が進むと老人を狙う犯罪はもっと増えるだろう」と話している。

(11/22)

http://mytown.asahi.com/fukushima/news02.asp?kiji=5020