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2003年11月21日(金) 17時10分

社説2 大規模テロ続発を憂慮する日経新聞

 テロリストが攻撃目標を広げている。トルコが先週末以来、2度爆弾攻撃の舞台となり、21日にはイラク・バグダッドのホテルなどがロケット弾の攻撃を受けた。テロリズムは手を付けられないかのような広がりを見せており、極めて憂慮される。しかし、国際社会はそれにひるむことなく一致結束し、現代のこの新しい戦争に挑み勝利しなければならない。

 トルコ最大の都市イスタンブールでは15日に2カ所のユダヤ教会が破壊されたのに続き、20日には英国の銀行の入居するビルと英総領事館が攻撃された。合計の死傷者は約800人に上り、ユダヤ人や英国人だけでなく、イスラム教徒であるトルコ人も犠牲になった。トルコ政府にとっても寝耳に水の大規模なテロである。

 トルコはイスラム教徒が国民の99%を占める国だが、政教分離を国是としてきた。北大西洋条約機構(NATO)加盟国であり、欧州連合(EU)加盟をめざしている。イスラエルとの関係も緊密だ。イラク国内の反発から中止を決めたが、イラクの復興支援のため1万人の軍を派遣することもいったん決めていた。

 テロリストは直接的にはトルコの施設を狙ったわけではなさそうだが、こうした政策への反発があることは容易に察しがつく。

 トルコのエルドアン首相をはじめブレア英首相、ブッシュ米大統領らはテロとの戦いで後退はありえないと強調したが、その通りである。シリア、エジプト、ヨルダンなどアラブ諸国からも非難の声があがっている。しかし、イスラム諸国に対してはより結束して非難声明を出すなどの対応を望みたい。

 アルカイダやサダム・フセイン政権の残党、イスラム原理主義者などによるテロは人道支援にあたる赤十字や国連事務所までも攻撃してきた。同じイスラム教徒を犠牲にすることもいとわない。テロの現場も世界各地に広がっている。

 先日はバグダッドの日本大使館を狙ったとも受け止められる銃撃があったし、アルカイダが東京を攻撃するとの脅しをかけてきたとの情報もある。日本政府も国内でのテロを防ぐ体制を強化する必要がある。

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20031121MS3M2100U21112003.html