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2003年11月21日(金) 21時55分

ガムたばこ:「モルモット」「リスクない」 販売で賛否毎日新聞


 法律上は「たばこ」だが、形や味はガムそっくりのスウェーデン製「ガムたばこ」が先月から東京都内などで試験販売されている。禁煙効果をうたったガムではなく、たばこと同じ成分を含むガムの発売は世界初。「日本人はモルモットではない」と販売中止を求める禁煙運動団体や関係学会に対し、製造元の副社長は21日の記者会見で、「健康のリスクは全くない」と反論。煙の出ないたばこを巡る論争の行方は──。【須山勉】

 この製品は、スウェーデンマッチ社が日本向けに開発した「ファイアーブレイク」で、1箱(10粒入り)280円。財務省が9月11日に認可し、これまでに約6万箱を輸入、東京都内の輸入販売元が10月16日から全国のコンビニエンスストアやたばこ店など500カ所余りで試験販売している。

 火が不要で煙も出ないため、場所を選ばず口にできるというのが宣伝文句。1粒にニコチン1ミリグラムを含み、外箱に「通常のたばこの1本に相当します。1粒で約20分間お楽しみいただけます」と書かれている。甘みのあるミント味だが、かむうちに舌やのどに辛さを感じる。

 ところが、かみたばこなどの無煙たばこは、タバコの成分を直接口に入れるためから作られるため、紙巻きたばこより有害物質が吸収されやすく、口腔(こうくう)がんとの因果関係も指摘されている。日本口腔衛生学会と日本口腔外科学会の2学会は今月4日、財務省に認可取り消しを要請。禁煙運動団体の代表らも20日、食品の安全を監視する厚生労働省に危害防止措置を取るよう求めた。

 要請した日本歯科大の中久木一乗(なかくきかずのり)・非常勤講師は「国際的にたばこ規制が強まっているのに、認可する姿勢は理解できない。未成年者が口にする可能性もある」と話す。

 一方、21日に厚労省で会見したボー・オーリン上席副社長は「紙巻きたばこのように煙を吸いこむ危険がなく、リスクが高いとの指摘は根拠がない。日本は喫煙率が高いが、今年から受動喫煙防止を義務付けた法律が施行されたこともあり、市場に選んだ。試験販売を続けた上で、本格販売するか決めたい」と説明した。

 厚労省監視安全課は「財務省がたばことして認可しており、食品衛生法に基づく規制は難しい」とし、財務省たばこ塩事業室は「たばこ事業法では健康被害を理由に認可を取り消すことはできない」との見解だ。

[毎日新聞11月21日] ( 2003-11-21-21:55 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031122k0000m040113001c.html