悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年11月21日(金) 00時00分

記事?広告?区別あいまい朝日新聞・

  山形新聞が、県内の病院の活動ぶりを紹介する企画特集「メディカルナビゲーション」の掲載を10月末までで中止した。同新聞社は「広告企画だった」と説明しているが、広告であれば、医療法に抵触しかねない内容。だが体裁は記事風で、病院側も「記事だと思っていた」などと話している。同新聞社が記事と広告の区別をあいまいにして営業活動をしていたことも明らかになった。

  「メディカルナビゲーション」が始まったのは昨年11月末。山形市立病院済生館の医療活動を3回シリーズで紹介したのを皮切りに、今年10月30日までに6病院を計12回にわたって取り上げた。1ページの全面を使い、半分以上は各病院を紹介する記事風の文章や見出し、写真で埋められている。

  同新聞社は「医療情報を提供する広告企画」と言うが、広告とは明示していない。済生館は「特集記事だとしか思っていなかった。企画料として1回ごとに21万円を支払ったが、そういうこともあるのかな、ぐらいにしか考えなかった」と話す。

  別の病院も「公益性の高い医療をシリーズで取り上げるので、取材に協力してほしいという話だった。記者の『取材』だと思っていた」。企画料は「払えない」と断ったが、掲載後に紙面のパネルや冊子を受け取り、その代金として100万円を支払ったという。

  この企画に先立ち、同新聞社は置賜地方の病院を5回シリーズで取り上げている。営業担当者はこの紙面を各病院に例として示したようだ。だが、同新聞社によるとこれは記事だった。病院側も「料金は払っていない。詳しく紹介してもらったことはありがたいが、記事と広告を区別するのは最低限の倫理」と話している。

  新聞が記事で何を報道するかは原則として自由だ。一方、医療法は利用者保護の観点から、医療機関の広告内容を厳格に制限している。「個別に定められた事項」だけを広告できるというのが制度の趣旨で、医療機関名や診療科名、入院設備の有無、治療方法、手術件数……などと具体的に示している。

  掲載されたある病院に「広告であるならば、医療法を十分理解してほしい」と指導した村山保健所は「これを機に、間違ったとらえ方をされないよう医師会などと協議したい」と話している。

  社内からの指摘を機に企画の打ち切りを決めたという同新聞社の朝井正夫総務局長は「再発防止のため、広告審査の強化に努めたい。記事と誤認させる説明を病院側にしてきたことは反省する」と話している。

(11/21)

http://mytown.asahi.com/yamagata/news02.asp?kiji=4405