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2003年11月21日(金) 03時00分

ハンセン病元患者:ホテル宿泊拒否で告発へ 法務省と熊本県毎日新聞


 国立ハンセン病療養所「菊池恵楓(けいふう)園」(熊本県合志町)の入所者らが「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」(同県南小国町)に宿泊を拒否された問題で、法務省は21日、「正当な理由なく宿泊を拒否した」として、ホテルとホテルを経営する「アイスター」(東京都)を旅館業法違反の疑いで熊本地検に告発する。熊本県も同日、同容疑の告発状を県警に提出する方針。宿泊拒否での刑事告発は極めて異例。ハンセン病に対して残る差別や偏見解消へ強固な姿勢を示したとみられる。

 同ホテルは、県が主催する入所者対象の「ふるさと訪問事業」で22人の宿泊予約を受けた後、入所者と分かったため「他の客の迷惑」として断った。県はアイスター本社も訪問、受け入れを説得したが「社の方針」として拒否された。

 法務省と県は「会社の総意で宿泊拒否を決めた疑いがあり、意思形成過程を確認する必要がある」として、本社も告発対象とした。同社広報室は「宿泊拒否はホテルの判断で決めたが、社として受け入れを求めなかったのは認識不足だった」と話している。

 旅館業法は、宿泊希望者が(1)明らかに伝染性疾病にかかっていると認められる時(2)とばくなどの違法行為をする恐れがある時——などを除いて宿泊を拒んではならないと定めている。違反した場合は5000円以下の罰金。厚生労働省は「宿泊拒否は処分前の行政指導で解決することが多い。処分例は聞いたことがない」という。

 一方、県は同法違反に基づくホテルの営業停止などの行政処分も念頭に置いて調査を進めていて、本社への聴取も進める方針。熊本地方法務局も、告発とは別に人権侵犯事件として受理し、調査している。

 この問題を巡っては、潮谷義子県知事が19日に法務省を訪れ、連携した対応を申し入れていた。

[毎日新聞11月21日] ( 2003-11-21-03:00 )


http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031121k0000m040157000c.html