2003年11月20日(木) 18時58分

住基ネットトラブル、復旧遅れ　県から受信確認返信なしで上山市が待機状態　／山形（毎日新聞）

　◇上山市システム待機状態で滞る
　県の住民基本台帳ネットワークシステム（住基ネット）のコンピューターが故障したトラブルで県市町村課は１９日、上山市のデータ受信の復旧が遅れたのは県から同市へ送られるはずの受信確認の返信がなかったために市のシステムが待機状態になったことが原因だったと公表した。
　トラブルは、県のコンピューター（サーバー）に組み込まれた受信したデータを暗号化して送信する「耐タンパー装置」が１７日に故障したことによるもの。装置は１８日未明に復旧したが、上山市のデータだけが受信できず全面復旧は同日午後にずれ込んだ。このため、同市などが原因を調べていた。
　県市町村課によると、上山市から最後に更新データが送られたのは週末の１４日で、県サーバーの稼働時間が終わる午後６時の直前だった。一方、同市を除く市町村は、午後６時より前の余裕のある時間帯に更新データを県に送っていた。
　県と地方自治情報センターは、１４日に受信したデータを更新したが、稼働時間が終わったために上山市への返信は週明けの１７日に持ち越された。その後に故障が発生したため、同市には返信されず、市のシステムが返信待ちの状態になって処理が滞ったという。
　同課は「データ処理が日付をまたがないよう、なるべく早い時間に送信してもらえるように上山市とも話し合った」としているが、今回のトラブルにより住基ネットの運用面での県の指導不足が浮き彫りとなった形だ。【太田誠一】
　（この記事には図「住基ネット・データ更新のイメージ」があります）（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031120-00000003-mai-l06