2003年11月20日(木) 22時59分

＜医療過誤＞東京医科大でさらに事故２件　７０代の男性が死亡（毎日新聞）

　東京医科大学付属病院（東京都新宿区）は２０日、今年４月、難聴の幼児に「人工内耳」を埋め込む手術で、右耳と左耳を間違えて切開するミスがあったと発表した。さらに、３月には白血病の疑いがあった７０代の男性患者が精密検査の直後に心停止し、約２カ月後に死亡する事故があったことも明らかにした。

　病院によると、同じ日に２人続けて人工内耳の手術が予定されており、看護師が患者を勘違いして、左右取り違えて手術の準備をした。医師が左耳を約４センチ切開したところでミスに気づいて縫合し、改めて右側を手術した。

　７０代男性の事故では、担当医が患者の胸骨に太さ２ミリ、長さ３５ミリの針を刺し、骨髄液を採取した直後に心停止し、意識が戻らないまま４月下旬に死亡した。病院側の調査では検査方法に特に問題はなく、死因が分からない「異状死」として警察に届け出た。

　同病院では、直腸の手術を受けた５０代の主婦がカテーテルの事故で脳死状態になっていることが明らかになったばかり。臼井正彦院長は会見で「数度にわたる事故で医療不信を招く結果となり、患者や国民におわびする」と謝罪した。【江刺正嘉、若井耕司】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031121-00000081-mai-soci