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2003年11月20日(木) 22時31分

東京医大、1日2回の事故会見…70代男性「異状死」読売新聞

 東京医科大学病院(東京・西新宿、臼井正彦院長)は20日夕、通院中の70歳代男性が今年3月、白血病の検査で胸に針を刺された直後に意識不明の重体になり、約2か月後に死亡したと発表した。

 病院は20日午前にも、人工内耳の埋め込み手術ミスを明らかにしており、医療事故で1日に2回、会見を開く異例の事態に「医療不信を招いた」と陳謝した。

 午後6時から開かれた病院側の会見によると、男性は白血病の疑いがあり、3月上旬、病院で胸骨から骨髄液を採る「骨髄穿刺(こつずいせんし)」と呼ばれる検査を受けた。検査担当の医師が胸の中心部にある胸骨に検査針(長さ35ミリ、直径2ミリ)を刺した直後に容体が急変し、一時、心停止状態に陥った。その後の蘇生(そせい)措置で心肺機能は回復したが、意識は戻らず、4月下旬に死亡したという。

 骨髄穿刺は血液関連の病気が疑われる際に、胸骨や腰骨で一般的に行われる検査といい、今回の医師もこれまでに200—300回の経験があったという。

 男性の死亡後、病院では事故調査委員会を設置して原因を検討してきたが、会見した行岡哲男副院長は「検査自体は一般的なやり方で行われており、現時点ではミスかどうか分からない」と説明。病院では死因の特定できない「異状死」として、死亡直後に警視庁新宿署に届け出た。新宿署で司法解剖し、調べている。

 東京医大病院では今年9月から、過去の医療事故について洗い直し作業を進めていたといい、この過程で東京都や厚生労働省に今回の事故を報告し忘れていたことが判明。今月17日になって届け出た。都医療安全課では「経過を見守りたい」と話している。

 一方、難聴の幼児に対する人工内耳の手術ミスは20日午前の会見で発表。病院では8月にも、がんの切除手術で点滴用カテーテルが血管を突き破って胸に点滴液がたまり、50歳代の女性が臨床的脳死となる事故があり、今月11日に会見したばかり。

 トラブルが相次いだことについて、臼井院長は「一層の医療不信を招く結果となり、誠に申し訳ない。患者や医療関係者、国民におわびする」と陳謝した。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031120-00000213-yom-soci