2003年11月20日(木) 20時56分

ヤミ金収益の一部受け取り、五菱会会長を指名手配（読売新聞）

　山口組五菱会系のヤミ金融グループによる出資法違反事件で警視庁は２０日、ヤミ金融の収益で購入された割引債（５０００万円相当）を受け取っていたとして、五菱会会長高木康男容疑者（５５）を組織犯罪処罰法違反（犯罪収益収受）の疑いで全国に指名手配したと発表した。警視庁は、この割引債が五菱会トップへの上納の一部だったとみて捜査を進めている。

　調べによると、高木容疑者は２００１年７月中旬から今年４月上旬までの間、グループ最高責任者で「ヤミ金融の帝王」と呼ばれた梶山進被告（５４）（出資法違反で公判中、組織犯罪処罰法違反容疑で逮捕）らがヤミ金融で得た収益を充てて購入した割引債を受け取った疑い。

　警視庁は、グループ傘下の店長らが梶山被告らの指示を受け、金融機関で無記名の割引債を購入していることを突き止めた。この割引債の番号を基に現物を探したところ、高木容疑者の関係先から同じ番号の割引債が見つかったという。

　高木容疑者は昨年秋まで、五菱会の前身の３次団体「陣内組」組長で、当時、副組長だった梶山被告と親しく、梶山被告とともにヤミ金融の店舗を次々と拡大した。その巨額収益を上納して、山口組内部での立場を強めたとされている。これまでの捜査で、売上金の多くが梶山被告周辺に流れていることが判明していたが、警視庁では、資金が高木容疑者周辺にも流れていたとみて、今年８月には静岡市の五菱会総本部を捜索するなどして、資金の流れの解明を急いでいた。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031120-00000406-yom-soci