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2003年11月20日(木) 22時10分

<ハンセン病>宿泊拒否ホテルの謝罪文 入所者ら受け取らず毎日新聞

 ハンセン病を理由に「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」(熊本県南小国町)が国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(同県合志町)の入所者らの宿泊を拒否した問題で、同ホテルの前田篤子総支配人らが20日、謝罪のため同園を訪れた。入所者に「私の無知と認識不足から園の方々に不愉快な思いとご迷惑をお掛けした」とわびた。しかし、入所者自治会は「ホテル経営や自分の地位を守るための謝罪で誠意が感じられない」と謝罪文の受け取りを拒否した。

 前田総支配人と津行由道支配人は正午前、硬い表情で園内の「やすらぎ総合会館」に現れた。入所者ら約50人が見守る中、前田総支配人は「これほどの大事件になるとは思わなかった。今後、ハンセン病を勉強し皆様のお役に立ちたい」との謝罪文を読み上げた。

 この後、自治会役員らが宿泊拒否の経緯や謝罪に転じた真意などを質問。「本社の指示があったのか」との問いに、前田総支配人は「私本人の無知と認識不足によるもの」と回答した。

 また、太田明・自治会長が「総支配人としてどうけじめを取るのか」とただすと、前田総支配人は「(地元の旅館)組合の方針に従う。今、この場で辞めますとは言えない」と返答。傍聴した入所者からは「口先で謝って済む問題ではない。辞職が当然だ」などと非難の声が上がった。

 結局、自治会は謝罪の受け入れを拒否。1時間余りの面談後、太田会長は「悔いる思いが伝わってこなかった。人権を侵害した意識が薄い」と残念がった。

 一方、九州弁護士会連合会はこの問題で20日、森永正理事長名で声明を発表。「国の原状回復義務としての偏見・差別の除去施策がいまだ不十分であることを示している」として、国や県に対し十分な調査と偏見や差別を除去する実効的な施策を求めた。【阿部周一】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031121-00000055-mai-soci